大震災、鉄筋コンクリートの建物は津波に耐えた 建築学会
日本建築学会は6日、東京都内で緊急報告会を開き、大震災による建築物の被害状況を明らかにした。揺れの大きさの割には建物への被害があまり出なかったことが判明。津波によって木造家屋の多くが倒壊、流失したものの、鉄筋コンクリート構造の建物は骨組みなどの基本構造の変形がほとんどなかったという。
東北工業大の田中礼治教授、東北大の源栄(もとさか)正人教授、防衛大学校の多田毅講師が宮城県の仙台市や大崎市、栗原市などを調査した。栗原市では最大震度7を記録したが、3月25日時点で住宅被害は全壊5棟、半壊15棟、一部損壊132棟だった。
宮城県の海岸沿いは津波の被害が大きく、冠水した地域の木造家屋はほぼ全壊した。鉄骨構造は骨組みが曲がるなどしたが、倒壊は少なかった。鉄筋コンクリート構造の建物はほとんど残った。一部が倒壊した原因について、多田講師は「地盤の液状化などで基礎そのものが壊れたため」と分析している。
建築学会はさらに詳しい調査を続け、今後発生する可能性のある巨大地震に備え、揺れや津波に耐える建築構造などを政府に提案する考えだ。
2011年04月07日 日本経済新聞
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