関西企業、「阪神」の経験生かし支援 物資配送に工夫も
関西の企業が、1995年の阪神大震災の経験を生かして東日本大震災の被災地支援に取り組んでいる。支援物資が被災地でかさばって場所をとったりした経験や、蓄積したインフラ復旧のノウハウを生かし、配送にも工夫を凝らす。阪神大震災の被害を間近で見るとともに、復興に携わった企業ならではの支援を打ち出している。
しょうゆメーカーのヒガシマル醤油(兵庫県たつの市)は農林水産省を通じ、東日本大震災の被災地に粉末調味料のうどんスープを10万8000食分送った。
阪神大震災ではカップ入りインスタント食品6000食分を神戸市などに送ったが「カップめんはかさばるため場所をふさぎ、やがて飽きられてしまった」(同社)。粉末スープは場所をとらず、被災者がさまざまな料理を作るのに応用できると考えた。
支援物資の配送の仕方を見直すケースも目立つ。ランドセル製造のセイバン(兵庫県たつの市)は被災した小学生にランドセル1万個を提供し始めた。阪神大震災でも同数のランドセルを被災者に寄付したが、当時はニーズが読めず、避難所に届けて回った。今回は宮城県や岩手県の教育委員会と連絡を取りながら寄付している。
兵庫県の複数の企業はまとめて物資を送ることで受け手が対応しやすくなる取り組みを始める。通販大手のフェリシモが総菜販売のロック・フィールドや神戸市内の洋菓子メーカーなどと実施。岩手県に自社製品を持ち寄ってまとめ、16日に被災地へ送る予定だ。
アパレル大手のワールドは売り上げを全て寄付する被災地応援のチャリティーTシャツを製作、予約販売を始めた。価格は2100円。すでに約2万枚の予約を集めた。
同社は阪神大震災の時にも同じメッセージを記したTシャツを3万枚作り、被災者に無料で配布した。今回はチャリティー商品として販売することについて「収益を寄付するほうがシャツを物品として提供するより効果的な支援になると考えた」としている。
2011年04月07日 日本経済新聞
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