イベント自粛行き過ぎ?被災地応援で実施論も
東日本巨大地震の影響から、静岡県内でイベントなどの中止が相次ぎ、経済への影響を懸念する声が上がっている。
一部では、イベントを予定通り実施し、会場で募金活動を行うなどの形で、地域活性化の取り組みの中に被災者支援を組み込もうという試みも出ている。
県内では、東日本巨大地震の被害の甚大さや被災者の心情を考慮し、4月1~3日に予定されていた「第55回静岡まつり」や5月3~5日の「浜松まつり」、7月30日の「第58回安倍川花火大会」など、歴史あるよく知られたイベントが軒並み中止になっている。
こうした流れについて、今月24日に静岡市内で開かれた東日本巨大地震の被災地支援に関する県と市町の合同会議の冒頭、県の大村慎一副知事は「イベントなどの行事を自粛する傾向になっている。我々の気持ちとしては当然そうだが、一方で未曽有の災害で経済的にいろいろと懸念がある」と指摘。「被災地を支援するためにも、逆に歯を食いしばって工夫しながら、できる行事については頑張ってやっていくことでご考慮いただきたい」と述べた。
県は、イベントなどは可能な限り開催していく方針。川勝知事は30日の記者会見で、「自粛ムードが必要以上に蔓延している。例えば祭りは地域の絆(きずな)を確かめ合う大事な機会。自粛ではなく、応援ムードでやる必要がある」と述べた。
小嶋善吉・静岡市長も今月25日の記者会見で、相次ぐイベントの中止について「市としてはそれぞれの(実行主体の)決定を尊重する」と断ったうえで、「もっと元気を出して復興しなければいけない時期が来る。その時にいろいろなイベントが復活してくると思う」と語った。
静岡商工会議所の後藤康雄会頭は今月25日の記者会見で、「静岡まつりは目前に迫っていたが、中止はやむを得なかった」と述べる一方、「安倍川花火大会はだいぶ先の話。慎重に今後の復興状況をみながら改めて判断すべきだ」との見解を示した。
◆沼津のイベント会場で募金活動◆
一方、沼津市は、今月31日に閉館する同市大手町の「キラメッセぬまづ」で4月3日に、「キラメッセージ大感謝祭」を予定通り開催する。特産物の販売や白隠太鼓の演奏などのほか、地震の被災地への募金コーナーを設ける。
また、狩野川花火大会などで知られる「沼津夏祭り」も、7月30、31日に開催されることが決まった。
2011年03月31日 読売新聞
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