経費扱いの交際費、上限「5千円」→「1万円」へ 政府・与党方針
企業が取引先との接待などに使う交際費のうち、税法上、経費扱い(損金算入)として非課税にできる「1人あたり5千円以下」の飲食費について、政府・与党は上限を1万円に引き上げる方針を固めた。物価上昇に伴い条件が厳しいとの声が出ていた。与党の税制調査会での議論を経て、今月中旬にも策定する税制改正大綱に反映させる。
税法上、交際費は損金不算入が原則だが、2006年度の税制改正で1人5千円以下の飲食費は除外され、損金として算入できることになった。
法人税は益金から損金を差し引いた金額に税率をかけて決めるため、企業としては損金算入できると税負担が減ることになる。中小企業向けには、800万円までは損金算入できる特例もある。
1990年代初頭に約6兆円だった企業の交際費は、近年は約3兆円まで半減している。上限を引き上げることで、中小企業と大企業の間の取引の維持や拡大、コロナ禍でダメージを受けた飲食産業の活性化、といったねらいがある。与党幹部からは「企業が飲食費を使えば経済もまわっていく」との声が出ていた。
日本商工会議所は、接待飲食費の額を社内規定などで1人5千円以下としている企業が多く存在することから、「税制が法人の飲食需要の拡大に水を差している」と指摘し、2万円以下への引き上げを求めている。(松山尚幹)
出典:朝日新聞社
企業が取引先との接待などにかかる交際費における飲食費のうち、1人あたり5千円以下のものが税法上損金算入として非課税にできる上限が、政府・与党によって1万円に引き上げられる方針が固まった。これにより、企業が経費として計上できる金額が拡大され、税制改正による経済の活性化が期待されている。
2006年度の税制改正によって、1人5千円以下の飲食費が損金算入できるようになった背景には、企業の経済活動の促進と中小企業の支援があります。法人税は益金から損金を差し引いた金額に税率をかけて決まる仕組みであり、損金算入の拡大は企業の税負担軽減につながります。特に中小企業にとっては、800万円までの損金算入特例が存在し、これによって経営の安定性が向上します。
1990年代初頭には約6兆円だった企業の交際費が、近年では約3兆円に半減しています。この上限引き上げの意図には、中小企業と大企業の取引の促進や拡大、さらには新型コロナウイルスによって影響を受けた飲食産業の活性化が含まれています。与党からは、「企業が飲食費を使えば経済もまわっていく」という声が出され、経済全体の健全な成長を期待する声が広がっています。
しかしながら、この上限引き上げには様々な議論が交わされるべきです。まず、日本商工会議所が指摘するように、多くの企業が社内規定などで1人5千円以下の金額を上限として設けている中で、引き上げが現実的な効果を発揮するかどうかは検討が必要です。また、法人税の減税効果が企業の経済活動にどれだけ寄与するかも検証が求められます。
上限引き上げの背景には、物価上昇に伴い条件が厳しいとの声があったことが示唆されています。しかし、引き上げ幅や条件の見直しを通じて、企業がより柔軟かつ効果的に経費を活用できるような仕組みを検討すべきです。税制改正の大綱が策定される際には、様々なステークホルダーの意見を十分に反映させ、経済全体にポジティブな影響をもたらすようなバランスの取れた改正が求められます。
総じて、交際費の税制改正が企業経済に与える影響は大きく、慎重な議論と検証が必要です。税理士は、クライアント企業に対して最適な経費活用のアドバイスを行いながら、新たな税制がもたらす変化に適応していくことが求められます。
2023年12月10日
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