７月の実質賃金２・５％減　１６カ月連続マイナス　物価高騰、家計を圧迫

　厚生労働省が８日発表した７月の毎月勤労統計調査（速報、従業員５人以上）によると、物価変動を加味した実質賃金は、前年同月比２・５％減で１６カ月連続のマイナスとなった。減少幅は６月の１・６％減から拡大した。名目賃金に当たる現金給与総額は、１９カ月連続でプラスだったものの、物価高騰に追い付いておらず、家計を圧迫する状況が続く。

現金給与総額は、１・３％増の３８万６５６円だった。うち基本給を中心とした所定内給与は、１・６％増の２５万３０６６円。増加に関して厚労省の担当者は、令和５年春闘で企業による賃上げの回答が相次いだことを挙げ「効果が徐々に出てきているのではないか」と述べた。

就業形態別の現金給与総額は、一般労働者が１・７％増の５０万８２８３円、パートタイム労働者が１・７％増の１０万７７０４円だった。

出典：産経新聞社


まず、記事で取り上げられている内容は、日本の経済状況に関する非常に重要な情報を提供しています。特に、実質賃金の減少と名目賃金の増加という二つの相反するトレンドが注目されます。以下に、この情報について詳細に解説し、税理士の視点からのコメントを提供します。

実質賃金の減少とその影響

実質賃金が前年同月比2.5％減少し、16カ月連続でマイナスとなったことは、労働者と家計にとって深刻な問題です。実質賃金は物価変動を考慮に入れたものであり、物価上昇に対抗できない賃金は、生活費の増加に対処するのが難しくなります。これは家計に負担をかけ、生活水準を下げる可能性があります。

名目賃金の増加とその背後にある要因

一方で、名目賃金は19カ月連続で増加しており、令和5年春闘において企業が賃上げを実施したことがその一因とされています。税理士としては、企業が賃上げを行うことは、従業員にとって好ましいことであり、従業員のモチベーションを高め、人材の確保・維持にも寄与します。また、賃上げが給与に対する課税影響にも影響を与えます。企業と従業員は、効果的な税務戦略を検討する必要があります。

就業形態別の給与格差

一般労働者とパートタイム労働者の給与差が示されています。この差異は、雇用形態に応じて社会保障や税金に影響を与える可能性があります。税理士としての役割は、クライアントに対して適切な給与支給戦略を提案し、税金と社会保障の観点から最適な選択をサポートすることです。特に、従業員と雇用者の双方にとって公平で持続可能な給与体系を構築する必要があります。

物価上昇と税務対策

物価の上昇は、家計にとって重大な問題です。税理士として、クライアントに対して物価上昇に備え、資産の適切な運用、税金の最適化、節約策の検討などのアドバイスを提供することが求められます。また、政府の経済政策や税制改革に対する適切な情報提供とアドバイスも必要です。

総括すると、給与と税務に関する問題は日本の経済において重要な要因であり、経済状況の変化に合わせて適切な戦略を検討し、家計や企業の持続可能な発展をサポートすることが税理士の役割です。経済の健全な成長を促進し、社会全体に利益をもたらすために、給与政策と税務戦略の連携が不可欠です。

2023年09月08日