6月貿易収支、23カ月ぶり黒字 資源高緩和、輸入額減少
財務省が20日発表した6月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は430億円の黒字だった。黒字は2021年7月以来23カ月ぶり。資源価格がロシアのウクライナ侵攻の影響で高騰していた1年前と比べると低下し、輸入額が減少したことが黒字につながった。
輸出額は前年同月比1.5%増の8兆7441億円と28カ月連続で増加し、6月としては過去最高となった。自動車が49.7%増加し、全体をけん引した。半導体不足の影響が緩和し、米国や欧州向けの自動車輸出が好調だった。一方、鉄鋼や半導体製造装置は、アジア向けを中心に減少した。
輸入額は12.9%減の8兆7010億円と、3カ月連続で減った。原油は36.2%、石炭は37.5%、液化天然ガス(LNG)は33.2%と、いずれも3割を超す減少となった。資源価格の下落に加え、輸入数量も減ったことが輸入額の減少幅を大きくした。
同時に発表した23年上半期(1~6月)の貿易収支は6兆9604億円の赤字だった。上半期の赤字は2年連続となるが、赤字幅は縮小した。昨年上半期は、資源高や急速な円安の影響で過去最大となる7兆9925億円の赤字となっていた。
出典:時事通信社
6月の日本の貿易収支が430億円の黒字となり、黒字続出が1年11カ月ぶりとなりました。これは、輸出額が増え、輸入額が減ったためです。輸出は28カ月連続で増加し、自動車の輸出が特に大きく伸びました。一方で、鉄鋼や半導体製造装置の輸出は減少しています。輸入は3カ月連続で減少し、原油や石炭、液化天然ガスの輸入が大幅に減っています。
この貿易収支の結果は、日本経済にとって重要な指標となります。黒字続出は、国内産業が海外市場で競争力を持ち、外国からの需要が高いことを示しています。特に自動車の輸出がけん引役となり、日本の自動車産業が世界的な需要に対して引き続き強いポジションにあることが伺えます。また、輸入の減少は資源価格の下落が影響しており、これによって輸入額が減少し、黒字に寄与しています。
上半期の貿易収支も注目される結果となりました。6月の黒字により、上半期の赤字幅が縮小したことは好材料です。これは、資源価格の高騰や円安の影響が収束したことによるものです。前年に比べて、貿易収支の改善が見られるという点は日本経済の回復の兆しとして重要です。
企業はこれらの貿易収支の変動に対して適切な対策を講じる必要があります。まず、為替リスクの管理が重要です。貿易収支は輸出と輸入の金額が関連しており、外国為替市場の変動が影響を及ぼす可能性があります。円高や円安の動向に敏感に対応し、リスクヘッジの戦略を立てることが重要です。
また、輸出産業のチャンスとリスクを見極めることも重要です。自動車の輸出が好調である一方で、他の産業は減少しているという状況を考慮して、企業は自社の製品やサービスの市場競争力を客観的に評価し、新たなビジネスチャンスを見極める必要があります。
さらに、貿易政策の変化に対応することも重要です。国際経済や政治情勢は常に変化しており、貿易政策や関税措置の変更が予期せぬ影響を及ぼすことがあります。企業はこれらの変化に敏感に対応し、慎重なビジネス展望を持つことが重要です。
最後に、持続的な経営を目指すためにも、上半期の赤字幅の縮小に安堵するのではなく、引き続き収支改善に向けた努力を継続することが大切です。収支改善には業種や市場の変化に合わせた戦略的な経営が求められます。税理士は企業に対して、経済状況や税務面でのアドバイスを提供し、持続的な成長をサポートする役割を果たします。企業は税理士のアドバイスを受けながら、着実な事業戦略の立案と実行を行い、変動する経済環境に適応しながら安定した経営を目指すべきです。
2023年07月20日
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