22年度税収、過去最高更新へ 初の70兆円台も、防衛増税に影響?
2022年度の国の一般会計の税収が好調で、過去最高を3年連続で更新する見通しだ。法人税や消費税が伸びており、昨年時点での税収見積もり68兆3590億円を上回って、初の70兆円台が視野に入る。与党からは、防衛増税の開始時期を25年以降に先送りにするため、税収増をあてにする声が強まっており、財政の健全化に結びつくかはわからない。
年度の税収は、3月期決算企業の法人税や消費税などが固まる5月分を加えた上で、7月上旬に発表される。4月末時点ですでに61兆5325億円となっており、税目別に見ると、所得税が22・4兆円、法人税が9・7兆円、消費税が19・2兆円で、基幹3税は前年同月より各1兆円強増えている。
過去5年間は5月分だけで8兆~10兆円増えており、例年通りなら初めて70兆円台に乗る可能性がある。
出典:朝日新聞社
2022年度の国の一般会計税収が好調で、過去最高を3年連続で更新する見通しとなっています。法人税や消費税の増加により、昨年時点の税収見積もりである68兆3590億円を上回り、初めて70兆円台が視野に入る可能性があります。この好調な税収の推移は、経済の回復と財政の健全化に対する前向きな展望をもたらしています。
税収の好調な推移の背景には、複数の要因が寄与しています。まず、法人税収の増加が挙げられます。新型コロナウイルス禍からの経済回復により、企業の業績が持ち直り、利益に対する課税額が増加しました。特に、デジタル化やオンラインサービスへのシフトが進んだことで、一部の企業は好調な業績を達成しました。このような企業の成果が税収の増加につながり、財政の健全化に一役買っています。
また、物価上昇に伴う消費税収の増加も重要な要素です。令和4年度からの消費税率の引き上げや需要の回復により、消費税収が拡大しました。物価の上昇によって消費税の課税ベースが広がり、税収の増加につながっています。消費税収の増加は、国の歳入に安定性をもたらすだけでなく、社会福祉や公共サービスの充実にも寄与することが期待されます。
この税収の好調な推移により、与党からは財政の健全化に向けた議論も高まっています。特に、防衛増税の開始時期を25年以降に先送りする声があり、税収増を財政改革の柱として位置付ける意見が強まっています。税収増によって財政のバランスを整えることで、社会保障や公共投資の拡充、国の債務の削減など、より持続可能な財政体制の構築が可能となるでしょう。
ただし、税収増による財政の健全化は一筋縄ではいかない課題も抱えています。経済の変動や国際情勢の変化によって税収が大きく変動する可能性があり、税収増に依存することのリスクも存在します。そのため、財政の健全化には税制改革や支出の見直しなど、総合的なアプローチが求められます。
2022年度の税収が過去最高を更新し、70兆円台に乗る見通しとなったことは、経済回復の一環として大きな成果です。この好調な税収の推移を機に、財政の健全化に向けたさらなる努力や検討が必要です。税制の改革や支出の見直しを通じて、持続可能な財政体制を構築し、国民の福祉や将来世代への負担を考慮した適切な財政運営を実現していくことが重要です。
2023年06月23日
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