基準地価 商業地5年ぶり下落 3大都市圏住宅地もマイナス 新型コロナ直撃
国土交通省が29日発表した7月1日時点の基準地価は、全国平均(全用途)の変動率が前年比マイナス0・6%となり、2017年以来3年ぶりに下落に転じた。商業地はマイナス0・3%と5年ぶりに下落に転じ、住宅地はマイナス0・7%と下落幅が拡大した。新型コロナウイルスの感染拡大による訪日客激減や外出自粛が、回復を続けていた地価を直撃した。
国や都道府県が公表する地価のうち、公示地価や路線価は1月1日時点のデータのため、新型コロナの影響が反映されたのは今回の基準地価が初めて。訪日客激減や外出自粛で店舗やホテルの売り上げが落ち、地価の下押し要因になったほか、景気の先行き不透明感からホテル新設などの投資も減り、不動産取引が感染拡大前と比べて停滞した。
東京、大阪、名古屋の3大都市圏は、住宅地がそろってマイナスとなり、3大都市圏の平均でもマイナス0・3%と下落に転じた。東京、大阪が下落したのは7年ぶり、名古屋は8年ぶり。
3大都市圏の商業地はプラス0・7%と上昇を維持したが、伸びは鈍化した。東京、大阪で上昇幅が縮小し、名古屋は8年ぶりに下落に転じた。
地方圏は住宅地がマイナス0・9%と下落幅が拡大。商業地はマイナス0・6%と2年ぶりに下落に転じた。地方圏のうち札幌、仙台、広島、福岡の4市は住宅地がプラス3・6%、商業地がプラス6・1%といずれも上昇を維持したが、伸び率は縮んだ。
国交省の担当者は「新型コロナの先行き不透明感で、地価の回復傾向が止まった。訪日外国人の効果が大きかった地域の収益力が落ちている」と分析した。
最高価格は東京都中央区の「明治屋銀座ビル」で、1平方メートル当たり4100万円。地点別で最も上昇率が大きかったのは住宅地、商業地とも、リゾート開発が活発な沖縄県宮古島市でプラス30%超だった。下落率が最大だったのは、商業地が岐阜県高山市の奥飛驒温泉郷(マイナス9・3%)。新型コロナによる観光客減が響いた。住宅地は、周辺が土砂災害警戒区域となった東京都日野市平山(マイナス18・4%)だった。【小坂剛志】
出典:毎日新聞社
2020年09月29日
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