中四国企業、生産再開遅れる トヨタ停止など響く
東日本大震災で中四国地域の企業の生産活動の再開が遅れている。一部企業では再開に向けた動きも出ているが、自動車関連を中心に被災企業からの部品供給が滞っているほか、計画停電の影響で本格操業ができないためだ。工場停止や生産抑制が長引けば、企業の今後の生産計画に大きく影響する可能性がある。
部品メーカーなどの生産停止の余波を大きく受けているのが自動車や建機関連の企業だ。
ミロクの子会社で、ハンドルなど自動車用部品を製造するミロクテクノウッド(高知県南国市)は14日から工場の生産を停止している。操業を停止しているトヨタ自動車の下請け会社からの発注が止まっており、工場で働く150人のうち130人が自宅待機している。休止は25日までの予定だが「26日までとしているトヨタの操業停止が長引けば、(休業を)継続するしかない」という。
マツダは被災した部品メーカーなどからの調達が困難になり、本社工場(広島市)と防府工場(山口県防府市)で14日夜から操業を停止。22日以降は在庫の部品を使って昼間だけの操業を続けている。
三菱自動車水島製作所(岡山県倉敷市)も在庫がそこをつき、23日に続き24日も生産ラインを全面休止する。
建設用クレーン大手のタダノの千葉工場(千葉市)は通常通り操業しているが、志度工場(香川県さぬき市)については24~30日まで一部停止する。同社の主力商品である「ラフテレーンクレーン」のエンジンと車軸の部品を製造していた宮城県と福島県の企業が被災し、供給が滞っている。3月に生産する予定だった74台のうち約20台について生産が遅れそうだ。31日以降については、状況を見て判断する。
コンクリート製品製造の日本興業の北関東工場(茨城県北茨城市)は生産を再開していない。ただ、設備に大きな被害はなく、香川県の本社社員が現地で再稼働に向けた最終調整を進めている。在庫の出荷など一部業務については再開した。
ビーアールホールディングス子会社の東日本コンクリート(仙台市)は、コンクリート製品の亘理工場(宮城県亘理町)の操業が止まった。製造に使う水道が復旧しておらず「本格稼働には日数を要する」(同社)。
日本食研ホールディングス(愛媛県今治市)は震災で製造設備が損傷した製造子会社の千葉工場(千葉県栄町)が22日に稼働を始めた。液体調味料と粉体調味料の両ラインが稼働した。ただ千葉工場は東京電力の計画停電地域に入っているほか、震災の影響で原料調達が滞っているため、全面復旧していない。
東洋電化工業(高知市)は、福島県いわき市にある子会社の工場が福島第1原発の事故の影響で操業を停止している。茨城県かすみがうら市、群馬県伊勢崎市にある子会社の工場も計画停電の影響で本格稼働に至っていない。3工場は合成樹脂製品やプラスチック成型品を製造している。特殊アロイなどを製造する高知市の本社工場の製造には影響はないという。
再開の動きもある。宇部興産は合成ゴムやポリエチレンなどを生産する千葉石油化学工場(千葉県市原市)を19日から一部、操業再開した。ただ原料調達が不足し、稼働時間は通常の半分以下の12時間以下にとどまる。
長府製作所も石油給湯器などを生産している宇都宮工場(宇都宮市)を17日に一部再開した。
2011年03月24日 日本経済新聞
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