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成長に期待「赤字上場」急増 19年の企業の新規株式公開、86件の見通し

 2019年の企業の新規株式公開(IPO)が86件と、前年から4件減るものの、ほぼ例年並みになる見通しが分かった。野村証券が17日明らかにした。赤字企業の上場は22件で、記録のある09年以降では過去最高になる見込み。この日上場したfreee(フリー)を始め、先行投資がかさむITベンチャーが増えているためだ。投資マネーを企業の成長に結びつける市場機能の役割が一段と高まっている。

 市場からの資金調達総額は3249億円になる見通し。ソフトバンクやメルカリなど大型案件が続いた前年の10分の1にとどまる。金額別では、6月にマザーズに上場した名刺管理サービスのSansan(サンサン)が389億円と最大。
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 上場直前の決算期の経常損益または最終損益が赤字の企業は昨年(12件)の倍近くに跳ね上がる見通しだ。フリーのほか、サンサンもここに含まれる。

 野村証券公開引受部の倉本敬治部長は「(定額制の)サブスクリプションサービスの提供企業など、事業が立ち上がっている中でも先行投資がかさむケースが増えてきた。将来の成長への期待から、投資家の赤字に対する許容度が高まっている」と解説する。

 来年のIPO市場については、多くの証券会社が例年並みを予想する。ただ、意外にも東京五輪・パラリンピックがネックになるとの見方もある。倉本氏は「大会期間中は交通の混乱で機関投資家回りなどIPOに必要なプロセスが止まる可能性がある」と指摘する。

 東京証券取引所をめぐっては、サウジアラビアの国営石油企業サウジアラムコが国外上場先の候補の一つに入れているとされる。海外マネーの取り込みを意識した市場構造改革の議論も進む。

 ある業界関係者は「東南アジアのITベンチャーがマザーズを目指すなど、海外企業の東証上場が出てくることが予想される」と話している。(米沢文)

出典:産経デジタル

2019年12月18日

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