企業が求める人材「実力」より「やる気」
厚生労働省は、平成25年度版労働経済白書(労働経済の分析)を発表した。白書は、雇用、賃金、労働時間、勤労者家計などの現状や課題について、統計データを活用して経済学的に分析したもので、今年度版では、日本経済における産業構造や就業構造が変化する中、産業の新陳代謝などを通じた競争力の強化や成長の力となる人材の確保・育成などとともに、労働者の意欲と能力が発揮され、企業が活性化するための働き方の構築が必要だという観点から分析を行った。
2012年の有効求人倍率は0.80倍で、前年より0.15ポイント上昇した。完全失業率は4.3%で、前年より0.3ポイント下回った。雇用情勢は、依然として厳しさが残るものの、改善の動きがみられている。
雇用については、企業に「若手社員に不足していると考える社会人基礎力」について聞いたところ、「働きかけ力」という回答が最も多く、約8割の企業が回答した。次いで「創造力」、「主体性」、「課題発見」、「発信力」、「計画力」などとなった。
また、若年者の正社員採用の際に重視している点について、これまでの採用と今後実施する採用を比較して聞いたところ、「即戦力」という回答が、これまでの採用では13.3%だったが、今後の採用については8.6%。「ポテンシャルを重視」との回答が、これまでの採用では11.6%だったが、今後の採用については12.6%という結果となった。
新入社員と上司・先輩社員に対して、会社や社会に対する意識について聞いたところ、両者あいだで、意識にやや相違があるという結果となった。
新入社員に「上司・先輩に期待すること」を聞いたところ、最も多かったのは「頻繁にコミュニケーションをとってくれる」で50.1%だったのに対し、上司・先輩が「新入社員を指導する際に最も重視していること」で最も多かったのは「自分で考えるように仕向ける」で、70%だった。
また、白書では、労働者全体における非正規労働者の割合が年々増加しているという結果も公表された。2010年における正規労働者は3,374万人、非正規労働者は1,763万人で、労働者全体における非正規労働者の割合が34.4%だったのに対し、2012年では、正規労働者3,340万人に対して非正規労働者は1,813万人で、非正規労働者の割合は35.2%となった。
企業に対し、正社員以外の労働者を雇用する理由について聞いたところ、「賃金の節約のため」との回答が最も多かったが、2003年に51.7%だったのに対し、2010年は43.8%で、割合はやや減少した。代わって、「賃金以外の労務コストの節約のため」との回答が、2003年は22.5%だったのに対し、2010年は27.4%に増加した。「高齢者の再雇用対策のため」との回答も、2003年に14.2%だったのに対し2010年は22.9%にまで増加した。
・参考リンク
厚生労働省 「平成25年版労働経済の分析」を公表
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000015637.html
2013年08月30日
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