厚労省がブラック企業対策強化
厚生労働省は、「若者の使い捨て」が疑われる企業等に対する取り組みを強化すると発表した。
いわゆる「ブラック企業」問題がマスコミなどによってクローズアップされたことにより、今般対策を講じたとみられている。
同省では、9月を「過重労働重点監督月間」として、若者の「使い捨て」が疑われる企業等に対し、集中的に監督指導等を実施するほか、9月1日に全国一斉の電話相談を実施する。電話相談は全国8ブロックで行われ、メールによる相談や情報提供も受け付けるという。
若者の「使い捨て」が疑われる企業等の実態把握については、労働基準監督署及びハローワーク利用者等からの苦情や通報等を端緒に、離職率が極端に高いなどの情報をもとに実施し、監督指導を集中的に行うという。労働時間については、時間外・休日労働が36協定の範囲内であるかについて確認するほか、法違反が認められた場合は是正指導を行う。また、賃金不払残業、いわゆるサービス残業がないかについても確認を行い、法違反が認められた場合は是正指導を実施する。長時間労働者については、医師による面接指導を行う等、健康確保措置が確実に講じられるよう指導を実施するという。
また、同省では、職場におけるパワーハラスメント、いわゆる「パワハラ」の予防、解決についても対策を行う方針。パワハラ対策の必要性等を分かりやすく説明したポスター、リーフレット等を作成し、全国の行政機関等で掲示・配布するほか、全国規模でのセミナーの実施や、事例集等の作成、周知を、今年10月以降に実施するとしている。
いわゆるブラック企業に対する対策を行っている民間団体のウェブサイトによると、厚生労働省「月80時間」と定めている残業時間をはるかに超える残業を強いられた結果、社員が病気や精神疾患、自殺に追い込まれるといった事例が報告されるケースも少なくない。大手雑貨量販店の社員が過労で突然死したケースでは、遺族が会社側に対して起こした損害賠償訴訟で、会社側は約7800万円の支払いを命じられている。
今年7月には、ブラック企業被害者を支援する弁護士の全国ネットワーク、「ブラック企業被害対策弁護団」が結成され、各マスコミでも報道されるなどして話題となっている。同弁護団のウェブサイトによると、「使い捨て同然の目にあっても泣き寝入りすることが多かった働き手が、相談して声をあげやすくすることで対策を強める」としている。同弁護団では8月31日(土)に相談会を実施するほか、9月5日(木)、弁護団発足シンポジウムを行う予定。
・参考リンク
厚生労働省 若者の「使い捨て」が疑われる企業等への取組を強化
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000014323.html
2013年08月29日
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