外国人実習生、雇用先の8割で法令違反
厚生労働省は、外国人技能実習生の実習実施機関に対する、平成24年の監督指導、送検の状況について公表した。
全国の労働基準監督機関において、平成24年に実習を実施した2,776の事業場に対して監督指導を実施したところ、79%にあたる2,196の事業場において、何らかの労働基準関係法令違反が認められたという。
また、技能実習生に係る重大又は悪質な労働基準関係法令違反により、送検された事業場は、15件にのぼった。
違反の主な内容としては、「安全衛生関係」が最も多く、1,362件、違反率は49.1%だった。次いで、「労働時間」が894件(違反率32.2%)、「割増賃金不払」が499件(違反率18%)、「労働条件の明示」が373件(13.4%)、「賃金不払」が335件(違反率12.1%)、などとなっている。安全衛生関係のうち、「健康診断」に関する違反は357件(違反率12.9%)だった。
このうち、特に悪質と判断し、縫製業を営む個人事業主を、労働基準法違反の疑いで送検したケースでは、時間外労働・休日労働協定で定めた上限時間である月42時間、年320時間を超える月100時間以上の時間外労働を行わせ、時間外、深夜及び休日労働の割増賃金を所定支払日に全額を支払わなかったうえ、事業主が、臨検監督時に労働基準監督官に対して、虚偽のタイムカードや賃金台帳等の帳簿類を提出し、虚偽の説明を行ってたという。
(労働基準法第 32 条違反、労働基準法第 37 条第1項、第4項違反、労働基準法第 101 条第1項・第 120 条第4号違反)
また、技能実習生が作業中に死亡したケースもあった。
金属製品製造業を営む事業者及び同社取締役について、技能実習生に係る労働安全衛生法違反の疑いで送検した事例では、工場内において、高さ約 2.5 メートルの箇所に設置されたプレス機械の点検台の上で、安全帯を使用させる等同所からの墜落を防止する措置を講じることなく、技能実習生にプレス機械の点検作業を行わせたため、技能実習生が作業中に転落した際にプレス機械に挟まれて死亡した。
(労働安全衛生法第 21 条第2項(労働安全衛生規則第 518 条第2項)違反)
労働基準局では、実習実施機関に対して、労働基準関係法令の周知徹底を図るほか、積極的に監督指導を実施するとしている。また、指導に従わないあるいは法違反を繰り返すなどの悪質な事業場に対しては、送検を行うなど厳正に対応していく方針。
参考リンク
外国人技能実習生の実習実施機関に対する平成24年の監督指導、送検の状況
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000035v78.html
2013年08月02日
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