振り込め詐欺「手渡し型」急増で新名称に
警視庁は、いわゆる「振り込め詐欺」について、新しい名称を広く募集し、5月12日に結果を公表した。
この募集は、東京都内における振り込め詐欺被害の7割以上が、振り込みを使用しない「手渡し型」に移行していることから、名称が実態にそぐわなくなったとして、行われ、ツイッター、郵送等で行われた。合計で1万4104件、9085点の応募があったという。
その結果、最優秀作品には「母さん助けて詐欺」、優秀作品に「ニセ電話詐欺」、「親心利用詐欺」が選ばれたという。警視庁では、従来の「振り込め詐欺」の名称は引き続き使用し、今回選ばれた新名称とあわせて、注意喚起や広報啓発活動に活用していくという。
警視庁の集計によると、昨年一年間の被害件数は1411件だったが、今年は6月末までですでに959件の被害があり、年間の合計では昨年を大きく上回ることが予想されている。今年の被害額の総額は、6月末までで約26億1,220万円となっている。
また、警視庁が昨年5月から7月までの被害状況を分析したところ、被害者の約8割が女性で、約5割が70歳以上だったという。
手口としては、サラリーマン世代の息子、甥などになりすまし、「電車(もしくはバス)の中にカバンを忘れた。その中に、今日中に取引先に支払わなければならない小切手が入っていた」と電話をかけてくるケースが、最近では最も多いという。なかには、「最初は声が違うと思ったが、話を聞いているうちにだんだん息子かなと思い始め、お金を用意する決心をしてしまった」という被害者の例もあった。
犯人が被害者の自宅電話番号を入手する方法については、電話帳に掲載していないにもかかわらず詐欺と思われる電話がかかってきたケースについて警視庁が分析を行ったところ、有名進学校、大学の系列高校、工業、技術関係の高校、居住地と同一または近隣区市内にある高校に息子や孫が通っていた世帯が多くみられたことから、それらの学校の名簿が利用されている可能性があるとしている。
警視庁では、東京都内の高齢者世帯を対象に、「自動通話録音(警告)機」の無料貸し出しを実施している。
この装置を自宅の電話に取り付けると、着信があった際、呼び出し音の前に、「この電話は振り込め詐欺等の犯罪被害防止のため、会話内容が自動録音されます」との警告メッセージが流れ、通話内容が録音されるという。
また、警視庁では、税務職員を装って電話をかけ、銀行のATMを操作して振込を行わせる、いわゆる「還付金詐欺」についても、注意するよう呼びかけている。還付金詐欺の被害件数は、昨年一年間で462件、昨年一年間の被害総額は、4億7,160万円だった。
参考リンク
警視庁「母さん助けて詐欺」ホームページ
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kouhoushi/no59/wide_koho59.htm
2013年07月28日
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