「計画停電で使用できない」 太陽光発電、操作周知にメーカー躍起
東日本大震災で被災地の電力供給が途絶え、東京電力が計画停電を実施する中で、太陽光発電システムの存在感が高まっている。東北~関東を中心に、太陽光発電を設置した家庭から、「太陽光発電を付けているのに、停電時に使えない」との問い合わせがメーカーや設置・販売業者に殺到。停電時には特別な操作が必要だが、周知が不十分だったとして、メーカー各社は一斉に啓発に乗り出した。
「屋根に設置している太陽電池が停電で動かなくなって宝の持ち腐れだ。どうしらいいのか」。大震災発生の翌12日以降、ある太陽光発電装置メーカーには、通常の約10倍近い電話問い合わせが相次いだ。
家庭用の太陽光発電装置は、パワーコンディショナー(パワコン)という装置を使い、太陽電池で発電した直流電流を、家庭で使用できる交流電流に変換している。ただ、パワコンを動かすための電気は、通常、電力会社から送られる系統電力に依存しており、そのままでは日中発電していても、電気が使えない。
使用するためには、家のブレーカーをオフにし、パワコンに付属したコンセントに直接、電化製品の電源コードを差し込む必要があるが、意外に知られていないのが実情だ。
このため太陽光発電協会は、ホームページ(HP)で停電時の設定方法について環境省のマニュアルを添付した告知を掲載。各メーカーも自社のHPで同様の掲示を始めた。あるメーカーでは「各販売店にも自立運転の使用方法を周知する。被災した家庭の役に立てれば」と話した。
2011年03月21日 産経ニュース
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