新潟県内企業、救援物資を相次ぎ増産 おかゆやストーブ
東日本巨大地震を受け、新潟県内で食品などの生活必需品を製造する企業が相次ぎ増産態勢に入っている。被災地向けに支援物資として送るほか、政府や自治体などの供給依頼に応える。被災地を中心に関東でも品薄になっており、受注が急増している企業もある。計画停電など生産活動を妨げる要因がある中、各社とも休日返上や従業員の残業で、急激な需要拡大に対応する。
亀田製菓は16日から新潟市の本社工場で、コメと水分が分離しにくく食べやすい「ふっくらおかゆ」の生産量を従来より2倍に増やした。同商品は介護用食品の卸会社などに販売している食品で、被災地に物資を送る政府や自治体からの依頼に対応する。さらなる増産の検討にも入った。
■食事制限患者向け
特別栽培米などの生産・加工を手掛けるエコ・ライス新潟(長岡市)は、タンパク質が少なく食事制限が必要な患者が食べられる加工米「はんぶん米」の増産に入った。自社での精米や魚沼地域にある協力工場での加工を加速。通常は需要期でも1日あたり1000食程度の生産量を2000食まで拡大させている。
同社が被災地に送る支援物資に盛り込むほか、自治体などの受注に対応する。水や湯で戻すだけで食べられるので現地で需要があるという。
加工食品メーカーのホリカフーズ(魚沼市)は19、21、26日の土曜・祝日も工場を稼働させる。お湯などがなくても手軽に温かいカレーライスなどの食事が取れる非常用食品「レスキューフーズ」などを増産する。
もち製造のきむら食品(燕市)は従業員の残業などで増産している。休日予定の19日も工場を稼働させる。小売店や被災地に救援物資を送る民間企業などからもちの受注が激増し、販売額は昨年の同時期に比べ4倍に拡大。生産能力を大きく超えた注文が来ており、一部で受注を断っているという。
サトウ食品工業は、包装米飯「サトウのごはん」を東港工場(聖籠町)で増産。国や自治体からの救援物資の依頼が13日時点の約68万食から、17日時点で約77万食に増えている。米菓製造の岩塚製菓は長岡市内の工場をフル稼働させている。
ブルボンは14日から、グループ会社の羽黒工場(山形県鶴岡市)でミネラルウオーターの増産体制に入った。時間延長と休日稼働により生産規模を通常の約2倍に引き上げている。
■アウトドア用品
増産は避難所などで使える生活必需品にも及んでいる。アウトドア用品を製造・販売するスノーピーク(三条市)は、携帯型ガスコンロやガスカートリッジ、照明器具の増産を始めた。避難所で調理などに使えるため、東北の被災地に送る需要が高まっている。
コロナは在庫がなくなっていた円筒型の丸型ストーブの増産を始めた。丸型ストーブは周囲360度を暖められるため、避難所での使用に適しているという。17、18日は計画停電への対応で生産を一時中断するが、22日以降に再開して当面は1万台以上を目標に生産する。
2011年03月18日 日本経済新聞
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