大地震で企業活動に打撃＝工場停止、スーパーも休業

　三陸沖を震源とする１１日の大地震で、東北や関東に立地する工場の操業停止が相次いだ。大きな揺れに加え、原子力発電所の運転停止による大規模な停電や、地域によってはガス供給も途絶えた。トヨタ自動車グループが最先端の車両組立工場と位置付け、１月に稼働したセントラル自動車（相模原市）の宮城工場（宮城県大衡村）をはじめ、幅広く生産活動に影響が広がった。
　一方、大手スーパーの西友は、全国３７１店舗のうち、北海道と静岡県を除いた各都府県の３４９店の営業を見合わせた。イオンも、東北地方の１２７店を営業休止とした。三越仙台店（仙台市）は１２日の休業を決めた。
　自動車業界では、トヨタグループで宮城工場のほか、関東自動車工業岩手工場（岩手県金ケ崎町）もストップ。日産自動車は、いわき工場（福島県いわき市）、栃木工場（栃木県上三川町）で小規模の火災が発生、両工場を含む５工場の生産が止まった。ホンダも埼玉製作所（埼玉県狭山市）と栃木製作所（栃木県真岡市）など３工場の操業を中止した。
　鉄鋼業界では、住友金属工業の鹿島製鉄所（茨城県鹿嶋市）が高炉２基の通常操業を取りやめ、従業員を避難させた。飲料関係も、アサヒビールが仙台市と福島県本宮市に持つウイスキーおよびビール工場、キリンビールの仙台工場（仙台市）が製造を停止している。
　電機関係は、ソニーの子会社ソニーケミカル＆インフォメーションデバイスの多賀城事業所（宮城県多賀城市）が津波に見舞われ、建物の１階部分が浸水。社員ら約１０００人が上層階に避難した。ソニーグループは同事業所を含め東北地方６カ所に工場を持つが、全て操業を停止した。キヤノンの宇都宮事業所（宇都宮市）も止まった。

2011年03月12日 時事ドットコム