企業の海外利益、国内還流なら減税 米政府検討
【ワシントン=大隅隆】米政府は、海外に滞留している米企業の利益を国内に戻す場合に、税制上の優遇措置を設ける検討に入った。米国内の投資・雇用増の呼び水とする狙いだ。財政再建圧力が強まるなか、民間の余剰資金の効率活用を加速する狙い。
カーニー大統領報道官は8日の会見で「法人税改革の一環として検討する」と明らかにした。
企業の海外利益は国内に戻す場合、税率35%の連邦法人税が適用になる。減税案では、課税対象となる利益を大幅に圧縮し、企業が国内で投資・雇用を拡大しやすくする。1年程度の時限措置とする案が有力で共和党や大手企業が提案している。
米国では2005年に同様の制度を導入。高い法人税率を嫌って海外に滞留していた数千億ドルの資金が国内に戻ったとされる。ただ、ガイトナー財務長官は、減税のみが先行し税収減と財政悪化を招くことを懸念しており、実現への道筋は流動的な面がある。
日本も2009年度から類似の制度を採用している。
2011年03月09日 日本経済新聞
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