家計や企業に負担増の懸念=不成立なら減免措置失効-税制改正法案
2011年度税制改正法案の年度内成立が絶望的となり、4月から家計や企業に負担増が生じる可能性が出てきた。3月末に期限切れを迎える税減免の優遇措置が多いためで、経済や国民生活に混乱を招く恐れもある。
漁船の燃料やビニールハウスの加温用に使われるA重油への免税措置は3月末に失効する。イカ釣り漁業者では、年間18万円程度の負担増となる見込みだ。折からの原油高騰に加え、中小・零細規模の漁業、農業者の経営をさらに圧迫する懸念がある。
鉄鋼業への影響も大きい。鉄鋼原料として使う石炭への免税措置が無くなれば、業界全体で年間430億円程度の負担増となる見込み。日本鉄鋼連盟の林田英治会長(JFEスチール社長)は「懸念しているのは免税措置が3月末で切れることだ」と強調する。
今回の税制改正法案の目玉として、15%への引き下げを打ち出した中小企業の法人税率も一転、増税になりかねない。現在の税率は特例措置で18%に軽減されており、不成立なら逆に本来の22%に戻されるからだ。
生活に身近なところでは、住宅を売買した際にかかる登録免許税の税率が0.3%から2.0%に跳ね上がるほか、海外旅行者のお土産などで持ち込むたばこや酒類は増税となる場合がある。また、離島路線の航空機燃料税は3割増しとなり、その分の運賃が値上げされれば、離島住民の生活にも影響が出そうだ。
2011年03月02日 時事ドットコム
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