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来年度税制改正大綱、調整大詰め 自動車取得税など焦点

 民主党税制調査会(藤井裕久会長)は24日、2012年度税制改正を巡る大詰めの調整に入った。28日にも重点要望を政府に提出し、12月上旬に政府・民主三役会議で税制改正大綱を決定する。党としての大綱策定は見送るが、党側が求める自動車取得税と自動車重量税の廃止や抜本的見直しには財務省が慎重で、今後の焦点になる。



 党税調は24日の総会で、事務局が提示した重点要望案を巡り協議した。「廃止、抜本的な見直しを強く求める」と明記した自動車取得税と自動車重量税の扱いについて、出席者から「12年度中の廃止を明記すべきだ」との意見が相次ぎ、決着を28日以降に持ち越した。



 税調事務局は当初、自動車2税を13年度以降の消費税率引き上げと同時期に廃止する案を軸に検討していたが、党内の意見を踏まえ、廃止の方向性を明確にする方針に軌道修正した。しかし財務省は代替財源なしに12年度に両税を廃止することは認めない構えだ。



 要望案には新たに(1)石油化学製品の原料になるナフサの免税の恒久化に向けた検討(2)病院の社会保険診療にかかる事業税の非課税措置の存続(3)船舶の積載能力に応じて課税する「トン数税制」の適用拡大――も盛り込んだ。業界団体の要望に配慮したものだが、ナフサ免税の恒久化などにも財務省は慎重だ。



 野田政権は法案や条約を国会に提出する際は党政策調査会の了承を原則とする仕組みを採用。前原誠司政調会長は24日の記者会見で「政府・民主三役会議で最終決定する。政策調査会の事前承認は当然だ」と強調した。



 野田政権は党税調を復活させた。党の権限を強めて党側の増税反対論を抑え込む狙いがあったが、12年度改正の議論は「族議員化した主張に押されている」(中堅議員)のが実情だ。



 当初、検討していた党としての税制改正大綱を見送るのは、細かな改正項目まで詰める大綱の形式にすれば、党内論議が収束しない恐れがあるためだ。ただ政府・民主党は自動車2税などの着地点を描き切れていない。

2011年11月24日 日本経済新聞

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