関西企業の純利益半減 4~9月、製造業が苦戦
関西企業の業績が急速に悪化している。上場企業の2011年4~9月期(上期)の連結純利益は前年同期比で半減した。東日本大震災の影響もあったが、急進した円高が業績を圧迫した。輸出産業が多い関西では電機関連を中心に、赤字に転落する企業が目立つ。関西企業は早期の業績回復を狙うが、タイ洪水の影響もあり、下期以降の先行きには不透明感が強い。
関西に地盤を置く3月期決算企業(金融、新興市場、決算期変更を除く)のうち、17日までに11年4~9月期決算を発表した364社を対象に日本経済新聞社が集計した。原子力発電所の稼働停止などで、業績予想を開示していない関西電力は除いた。全体の連結純利益は前年同期比48.4%減の4591億円となった。36%減益の予想だった8月の前回の集計から、減益幅が拡大した。
製造業の連結純利益は前年同期比51.8%減となった。パナソニックは、1ドル=83円と想定していた為替レートが、大きく円高に振れたことが、営業利益を約350億円押し下げた。さらにテレビ事業の縮小などのリストラに伴う人員削減などで1841億円の構造改革費用を計上。最終損益は前年同期の747億円の黒字から一転、1361億円の赤字となった。
電子部品ではロームの最終損益が前年同期の98億円の黒字から21億円の赤字へ、村田製作所は前年同期比で24%減った。
太陽電池の主要部材を国内で生産するシャープにも円高が重くのしかかる。片山幹雄社長は「この為替環境では輸出は不可能。競争力を失い、販売機会の損失が極端にある」と強調。海外初となる太陽電池の新工場を11月に本格稼働させ、円高への対応力を強める。
一方、機械はダイキン工業、クボタの大手2社が上期に続き下期も増収増益の見通しだ。ダイキンの主力部門の空調事業では中国での伸びが著しく、通期では前期比23%増の2000億円の売上高を見込む。井上礼之会長は「中国では金融引き締めによる景気減速懸念もあるが、かつてない需要が見込める最大の成長市場だ」と話している。
非製造業は34%の減益となった。業績が大幅に悪化したのは任天堂。本業の携帯型ゲーム機の販売不振に加え、円高が収益を圧迫。外貨建て保有資産の為替差損の発生もあり、最終損益は702億円の赤字を計上し、前年同期(20億円の赤字)から赤字幅が拡大した。
下期(11年10月~12年3月期)の関西企業の純利益は前年同期比で22%減となる見通しだ。
2011年11月18日 日本経済新聞
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