11年度上期の建設受注、00年度以降最低/公共事業執行留保響く/国交省
国土交通省がまとめた建設工事受注動態統計によると、11年度上半期(4~9月)の工事受注高は前年同期比3・8%減の19兆5618億円と、統計を取り始めた00年度以降で最低となった。東日本大震災後の電力不足に対応する火力発電設備の能力増強などで民間の機械装置工事が大幅に伸びたものの、公共・民間とも土木、建築工事が大幅に減り、それぞれ最低額を更新したのが響いた。震災による民間企業の設備投資意欲の低下や、国の11年度当初予算で公共事業費などに5%の執行留保措置が取られたことなどが影響。上半期は受注環境が大きく悪化した形だ。
上半期の受注高の内訳は、元請13兆8994億円(前年同期比0・9%減)、下請5兆6624億円(10・3%減)。工事の種類別では土木5兆7601億円(10・7%減)、建築11兆5803億円(4・1%減)といずれも減少。一方、機械装置等は2兆2213億円(22・0%増)と大幅に伸びた。
元請受注高のうち、公共機関からの受注高(1件500万円以上の工事の合計)は4兆0758億円(6・3%減)。東北地方の震災被災県で災害廃棄物処理関連の大規模工事が発注された影響で9月は前年同月比がプラスに転じたが、震災が起きた3月から8月までは6カ月連続でマイナスが続いた。
民間からの受注高は9兆8235億円(1・5%増)。建築・建築設備工事(1件5億円以上の工事の合計)は7兆1220億円(1・0%減)、土木工事(1件500万円以上)は1兆4670億円(10・6%減)でそれぞれ00年度以降の最低記録を更新した。一方で、機械装置等工事については、全国的な電力供給不足問題を背景に、電力会社による電源設備増強や民間企業の自家発電設備の整備といった工事が伸び、1兆2345億円(46・2%増)と2番目の高水準となった。民間建築工事では不動産業からの住宅と事務所の工事の受注が6月以降4カ月連続でマイナスを続けている。国交省は「前年同期に大規模案件が発注されたことへの反動もあるが、今後の懸念材料として注視する必要がある」(総合政策局建設統計室)としている。
2011年11月11日 日刊建築工業新聞
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