税金の無駄遣い4283億円 過去2番目の高水準
会計検査院は7日、国の2010年度の決算検査報告書をまとめ、野田佳彦首相に提出した。税金の無駄遣いなど不適切な経理処理の指摘は568件で計約4283億円。金額は09年度(約1兆7904億円)に次いで過去2番目に多かった。特別会計や独立行政法人などの余剰資産を重点的に検査し、有効活用を求めた形だ。
指摘は、税金の無駄遣いなど支出面が約4181億円、徴収漏れなど収入面が約102億円。
特別会計などの余剰金では、原子力発電所などの立地交付金として積み立てている経産省の「周辺地域整備資金」657億円が不要と指摘。財務省が特別会計で管理する国有地などの資産約618億円分を一般会計に繰り入れるよう求めた。
不適切経理との認定には至らなかったが、リーマン・ショック後の経済対策として08、09年度の国の補正予算で各都道府県に設立された約2500の基金に、総額約2兆円の資金が残っていることも指摘した。
省庁別では国土交通省が最多で約727億円。経済産業省約661億円、財務省約654億円、文部科学省約629億円、厚生労働省約512億円、農林水産省約463億円と続いた。6省に次いで東京大が約154億円、日本原子力研究開発機構が約126億円の指摘を受けた。
検査院は10年度、中央省庁など約2900カ所を実地検査し、国が補助金などを支出した自治体など約3800団体も調べた。東日本大震災の影響で今年3月の実地検査は中止した。
11年度については、今後本格化する震災の復旧・復興事業を重点的に調べる方針で、「一定期間に多額の国費が投入されることを踏まえて適切に検査する」としている。
2011年11月07日 日本経済新聞
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