携帯音声で商品案内 静岡大、視覚障害者向けソフト開発
静岡大学は携帯電話のカメラで食品や飲料のバーコードを読み取ると、音声で商品情報を案内するソフトを開発した。ペットボトルや缶詰などを開ける前に中身を知りたいという視覚障害者の声に対応したもので、このソフトを使って音声案内をするサービスを情報処理学会が開始。約230万点の商品情報が取得できる。静大と同学会は食品メーカーなどに協力を求め、普及を図る。
ソフト名は「バーコード・トーカー」。同学会のメンバーである静大情報学部が開発した。携帯電話に取り込み、ラベルやパッケージに付いたバーコードを読み取ると、自動的にインターネットを通じて商品情報を管理するサーバーにアクセスし、商品を検索。商品名や味、内容量などを音声で伝える。
開発したソフトはNTTドコモの「らくらくホン」向けだが、一部の機種には対応していない。商品情報はバーコードを管理している財団法人の流通システム開発センター(東京・港)や調査会社、インテージのデータを活用する。
同ソフトを使ったサービスの利用希望者は専用サイト(http://hal.inf.shizuoka.ac.jp/tegoro/download/)で無料でダウンロードをして会員登録する。通信費はかかるが、登録代や月額利用料は不要にした。
静大によると視覚障害者は全国に31万人(2008年)で、このうち点字が読めるのは1割程度にとどまるという。家族やヘルパーがそばにいない時に飲食に困るケースがある。新開発のソフトは最初は家族らの助けが必要だが、慣れれば1人でもバーコードを探り当てることができるようになるという。
静大では「バーコードの印刷位置を標準化すれば、さらに使いやすくなる」と説明しており、同学会とともに、食品や飲料メーカーに働き掛けていく考えだ。
2011年03月01日 日本経済新聞
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