クラウド、働くママ応援 仕事効率上げ定時退社確保
特別な機器がなくても、インターネットを経由していろんな情報処理などができる「クラウドコンピューティング」。導入した企業はITコストを大幅に減らすことができる。一方、働くママにとっては仕事の効率を上げて定時退社で子供を保育所に迎えに行ったり、必要があれば自宅で社内情報を共有して仕事の続きをしたり、頼りになる味方になっている。
全国で約100カ所の保育施設を運営するポピンズは、IT大手グーグルが提供するクラウドサービスの一つ「グーグル アプス」を全施設で導入。4月にオープンした保育所「ポピンズナーサリースクール広尾」(東京都港区)の施設管理者で保育士の斎藤聡子さん(30)は、1歳の女の子のママ。このサービスを活用し、子育てと仕事を両立している。
■自宅から指示
朝夕の保護者との応対や日中の子供の世話のほかに、管理者として文書管理や本社、行政との連絡など、パソコンに向かっての大量の作業がある。「メールのやりとりや文書作りなど煩雑な作業が非常にスピードアップしました。台風が来たときは、共有するシートに各施設の状況など同時に入力するので、すぐに確認ができました」
勤務時間はきっかり午前9時から午後5時まで。電車で約45分の東京都北区の自宅近くの保育所に娘を迎えに行く。斎藤さんが勤める保育所は夜8時過ぎまで開いており、保護者から要望があったときは10時まで子供を預かる。「帰宅後に私が判断しなければいけないことが起きたときには、すぐに自宅のパソコンや多機能携帯電話(スマートフォン)で情報を共有し、スタッフに指示を出せるので安心です」と斎藤さんは話す。
■画像も共有
ドイツ・ゾーリンゲンに本社がある世界的なキッチン用品メーカーの日本法人、ツヴィリング J・A・ヘンケルスジャパン(岐阜県関市)は昨年6月に「グーグル アプス」を導入。「こういうものがあればと、今までずっと思っていました」と話すのは、東京オフィスでマーケティング部長を務め、小学校1年と同2年の2人の男の子がいる市川由紀さん。
「仕事柄、製品のデザインについての会議が多いのですが、このサービスは自宅にいても画像を見ながら打ち合わせができて非常に便利です」
市川さんは第1子出産のときは8カ月、第2子で6カ月の育児休業を取った以外は、外資系企業でずっと働き続け、現在の会社は4社目。「今までに比べて働きやすくなったと実感しています」と話す。
グーグル(日本法人)でこのサービスを担当するエンタープライズ部門の藤井彰人さんは「リアルタイムの情報交換や共有によって、企業の収益だけでなく社員のワークスタイルを大きく変えることができる」と強調する。
2011年10月31日 産経ニュース
最適な税理士が見つかる!
T-SHIEN税理士マッチング
依頼したい税理士業務と希望金額を入力し、匿名で全国の税理士事務所から見積を集めることができるシステムです。送られてきた見積の中から、最適な税理士を選ぶことができます。