まだ間に合う、『Twitter革命』から学ぶソーシャルの作法
●ソーシャルな世界を知るには、Twitterがオススメ
Facebookページ(旧ファンページ)を開設する企業が増えてきた。現在、日本でFacebookページを開設しているのは、以前からTwitterを運用している企業がほとんどだ。国内ではまだまだ一般的とは言えないFacebookに取り組んでいるのだから、経営者が新しいもの好きか、社内に自称ソーシャルメディア担当がいるのは想像に難くない。そういった企業は、これから新しいサービスが流行ってもうまいことその波に乗ることができるだろう。
しかし、Facebookページはおろか、いまだTwitterにも取り組んでいない企業は今後どうなるのだろう。必要になったら取り組めば良い? 本当だろうか。社員が個人的に使っていたサービスで、自社に関わる良からぬことを発言し、炎上してしまったら? ある顧客が漏らした自社に対する不満が他の顧客の共感を呼び、大規模に拡散してブランドイメージに傷が付いてしまったら? 即座に対処できるだろうか。
Twitterの良いところは、メールアドレスさえあればすぐに始められることだ。ソーシャルメディアへの取り組みができていないことに少しでも不安を感じたなら、まずはTwitterから始めてみることをお勧めする。企業アカウントでなくとも、個人アカウントからでも充分に得るものはあるはずだ。
●『Twitter革命』(ソフトバンク新書)
『Twitter革命』は、神田敏晶氏によるTwitterの解説書である。2009年11月の発刊から1年ちょっと経っている。ちょうどTwitterが一般的に認知されるようになってきた頃のことだ。今さらこの本を持ち出して、Twitterって凄いんですよなどと言うつもりはないが、ソーシャルの作法を学ぶ際にまず読んでもらいたい1冊である。
本書で最も読んでもらいたいポイントは、“「ゆるいメディア」の価値”(p.100)だ。これまで企業がネットメディアを使ってする情報発信は、プレスリリースやタイアップ記事、広報ブログなどオフィシャルな発信という面が強かった。しかし、人と人とのつながりが重要となるソーシャルメディアでは、「そこに人がいる」という空気を醸し出すため、ある程度の「ゆるさ」が求められる。時には「お昼に牛丼を食べたよ」とツイートすることもあるだろう。大切なのは、顧客にとって有益なツイートと自社の宣伝ツイート、そして「ゆるい」ツイートのバランスだからだ。しかし、どんな本にもその最適な割合は書いていない。自分で使ってみて、バランス感覚を磨くしかないのである。神田氏も「ツイッターの使い方を言語で伝えるのは非常に難しいけれど、自転車の乗り方のように、一度ツイッターの使い方を覚えてしまえば、それほど難しいものではない」と述べている。
何となく個人アカウントでTwitterの世界が分かってきたら、第4章「ビジネス革命」を読みながら企業アカウントでの運用を始めてみると良い。個人アカウントで得た経験から、何をすると一般ユーザーに嫌われるか判断できるようになっているはずだ。企業アカウントでもうまく使えるようになれば、ソーシャルの基本作法はマスターしたようなもの。それを応用してFacebookにも取り組めば、とりあえずやってみて放置、という事態も避けられるに違いない。
ここまで読んで、何を今さらと思っている読者も多いことだろう。しかし始めるのは早くても、ユーザーに嫌われる使い方しかできなかったり、フォロワーやファン数など見せかけだけの使い方しかできていないアカウントは無数にある。上手く使えないからといって「なんだかんだ言っても数だよ数!」などと大声で叫ぶマーケッターは自分を含めてたくさんいる。今後、ソーシャルメディアが企業活動の1つとして自然に使われるようになるのは間違いないのだ。そのとき、暗黒面に落ちて間違った使い方をしないよう、ソーシャルマスターを目指して正しい作法を覚えてもらえたらと思う。
2011年03月01日 ITメディア
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