静岡銀、中小の事業継続計画策定を支援 集団講座で費用安く
静岡銀行は取引先の中堅・中小企業の事業継続計画(BCP)策定支援を本格化する。12月~来年3月に全県レベルで初の策定講座を開くほか、地域単位での支援にも取り組む。策定講座は集団受講方式のため、企業が同行に個別に策定を依頼する場合に比べ費用が4分の1程度で済む。東日本大震災によるニーズの高まりを受け、取引先との関係強化につなげる。
静岡銀は想定される東海地震対策などとして2006年以降、BCPへの関心を促すセミナーを開いてきた。震災でBCP策定の機運が高まっているが、資金力に乏しい中堅・中小は独力での導入が難しいと判断。低コストの新たな手法を用いて県内での普及拡大を目指す。
初めて取り組む「BCP策定講座」の内容はBCPの概念説明、事例紹介、財務対策、グループ討論による演習など。東京海上日動火災保険などと連携して具体的な策定方法を伝授する。講座と講座の間には、静岡銀の担当者が受講企業を訪問して講義で出された課題について支援を手掛けたり、メールを通じた個別指導を実施したりする。
会場は静岡市のアゴラ静岡で12月に1回、1月と2月に各2回、3月に1回の合計6回開催する。地域、業種を問わず10~12社を募集。受講時間は各2時間半で、講座を修了すればBCPの基本文書が作成できる。
参加費は34万6500円。同行に個別にBCP策定を依頼する場合は、全社規模の計画の場合で150万円前後かかるため、大幅に安く済む。BCP策定に伴う設備投資などの資金調達に関するアドバイスもする。
同行は6月、震災を受けてBCP策定の必要性を訴える企業向け「リスク管理セミナー」を県内3地域で計3回開催。合計約100社が参加した。その受講者から「BCP策定の必要性を社内で議論中」「BCP策定で専門家によるコンサルティングに関心がある」との声が多く寄せられたため、講座を通じた策定支援にも乗り出すことにした。
地域を限定したBCP策定支援も展開する。同行は2009年に沼津工業団地(沼津市)内の6社と、焼津市内の水産関連など12社を対象に、講座形式でBCP策定を指南した。
地域単位の場合は、共通の課題に対応でき、効率的な支援ができるメリットがある。震災を契機に、他地域のニーズも開拓していく。
2011年10月19日 日本経済新聞
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