九州・沖縄の3~8月期決算13社、9社が経常損益改善
九州・沖縄の主な2月期決算会社13社の2011年3~8月期決算が出そろった。7割にあたる9社で経常損益が改善した。不採算店舗の閉鎖などのリストラを進め、採算を改善した企業が目立った。ただ、11年9月~12年2月期をみると、10社が損益悪化を見込む。消費低迷の影響が、コスト削減効果を上回るとみる企業が多い。
■増収増益 持ち帰り弁当店「ほっともっと」を展開するプレナスは新規出店の効果もあり、増収増益を確保した。「東日本大震災に伴う消費自粛の影響が薄かった」(経営管理室)という。
一方、食品包装材などを手掛ける丸東産業は、震災後に非常食用包装材の受注が増えたことなどで増収。原料のフィルム材の価格が上昇したが、経費圧縮などで吸収し経常利益は約5割増えた。
■リストラが寄与 イオン九州は上期としては8期ぶりに経常黒字を確保した。店内設備の保守点検の外注を取りやめ、省エネ性能に優れた空調設備の導入などで光熱費を圧縮。照明を減らすなど夏場の節電策も奏功した。
学習塾の昴は人件費などのコスト圧縮で経常赤字幅を縮小した。
井筒屋は震災後の消費自粛の影響もあり減収となったが、昨年4月に約200人の早期退職を実施した効果で人件費が約3億円減少。広告宣伝費の削減も貢献、経常増益となった。
■下期の環境さらに厳しく 博多大丸(福岡市)は上期、博多阪急(同)の3月開業による影響で苦戦を強いられ減収減益となったが、下期も「オーバーストア(店舗過剰)による厳しい経営環境が続く」とみる。
ベスト電器の9~2月期は4億円の赤字(前年同期は30億円の黒字)となる見通し。アナログ放送終了に伴う地上デジタル放送対応テレビの駆け込み需要がなくなるのが響く。不採算店舗の閉鎖で経費削減を進めるが補いきれず「想定以上の深い谷が続く」(小野浩司社長)と危機感は強い。
沖縄のスーパーのサンエーも、9~2月期は9%の経常減益を見込む。上期の業績をけん引していた大型テレビの販売が落ち込むためだ。下期では衣料品の販売減に底入れの兆しがあるとして、「長袖のかりゆしウエアなどを強化したい」(上地哲誠社長)という。
2011年10月19日 日本経済新聞
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