「鹿島」が4億円所得隠し…海外工事で「利益供与」と国税指摘
大手ゼネコンの「鹿島」(東京都港区)が東京国税局の税務調査を受け、平成22年3月期までの3年間に約19億円の申告漏れを指摘されていたことが16日、分かった。このうちアルジェリアで受注した高速道路建設工事をめぐり、業務委託費としてブローカーに支払った約4億円は利益供与にあたると判断。悪質な隠蔽(いんぺい)を伴う所得隠しと指摘された。
関係者によると、鹿島は18年9月、計4社でつくる共同企業体(JV)として、アルジェリア公共事業省高速道路公団が発注した高速道路建設工事を約5400億円で受注。計3工区(約1200キロ)のうち東側工区(約400キロ)を担当した。
しかし、地質状態や治安の悪化で工期が遅れたことを理由に、同国政府が支払いの一部を拒否。JVで幹事を務める鹿島が交渉にあたる一方、第三国のブローカーに業務委託費として約4億円を支出したという。同国からの代金支払いを促す目的があったとみられる。
東京国税局の税務調査に対し、鹿島はブローカーに委託した業務内容を示さなかったため、東京国税局は委託業務に実体はなかったと判断。ブローカーへの利益供与にあたり、経費として損金に算入できない交際費と認定した。
鹿島広報室は「当社は毎年税務調査を受けているが、調査内容についてはコメントを差し控える」としている。
民間信用調査会社によると、鹿島は昭和5年設立で、土木建築業では全国2位の大手ゼネコン。平成23年3月期の売上高は約9704億円。
2011年10月17日 ZAKZAK

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