板橋区が独自の技術拠点 精密部品で中小の開発支援
東京都板橋区は来年2月、区内に中小製造業向けの産業技術支援施設を開設する。パソコンなどに使われる精密部品や光学部品の寸法や耐久性を測定できる最新鋭の設備を15台置く。技術指導員も配置。今月に地元企業が利用していた都の施設が北区から江東区に移転。製造業が集まる板橋区は独自に自前の施設をつくり、高度なものづくりを継続支援する。
地元企業に貸している生産拠点「区立生活産業融合型第一工場ビル」の4階に開設する。床面積は約200平方メートル。総投資額は約1億1千万円。
主な設備は最大5000倍の倍率で部品の寸法や形状をチェック、モニターで凹凸を色分けして表示する「デジタルマイクロスコープ」など。銅や鉛など原材料を分析する「蛍光X線成分分析装置」は有害物質が混入していないかを確認できる。
金属加工部品の表面の粗さを測定できる機器や、一定の温度や湿度への耐久性を検証できる設備もそろえる。
施設には専門の技術指導員を3人配置する。企業の技術課題の相談に応じるほか、大学や研究機関との産学官連携も積極的に後押しする。定期的に設備操作や成分分析といった研修を開く。
新施設の利用料金は1時間あたり1000円程度と安価な価格に設定し、来年1月から予約を受け付ける。同区以外の企業でも利用できる。施設の開設時間は平日午前9時から午後5時まで。
東京都のまとめでは、2010年の板橋区の製造品出荷額は約5500億円と23区で首位。印刷関連や鉄鋼、電子部品を中心に製造業が集積、地元経済を支えている。
今回、新施設に導入するのは1台1000万円以上する高価な機器もあり中小企業が自前で購入するのは難しい。これまで板橋区の製造業は、北区に立地していた東京都立産業技術研究センター本部の設備を年500回近く使っていた。ただ、同本部の江東区への移転に伴い今後は使い勝手が悪くなる公算が大きく、同区は独自で整備する必要があると判断した。
同区の担当者は「安価な料金で区内を中心とした中小製造業にとって身近で使いやすい施設を目指す」と話している。
2011年10月14日 日本経済新聞
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