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「円高、経営に打撃」35% 都内の中小企業、東商調べ

 東京商工会議所は歴史的な円高が企業活動に及ぼす影響についてアンケート調査をまとめた。取引先の採算悪化による受注減少や値下げ要請などを理由に全体の35%が経営にマイナスと回答。現在の円高水準が続いた場合は輸出企業の約9割が今期決算で減益になると予測し、厳しい経営環境が浮き彫りになった。



 調査対象は東京商工会議所の会員など東京23区の中小企業。8月22日~9月9日にファクスと聞き取りで調査し、2198社から回答を得た。



 円高が経営にマイナスと答えた企業では製造業が36%と最も多く、卸売業(29%)、サービス業(21%)が続いた。



 具体的な影響では「取引先の採算悪化による受注減少」が39%と最多。「取引先からの値下げ要請」(29%)や「消費マインドの悪化」(26%)も目立つ。輸出企業では4割以上が採算が悪化していると答えた。



 今後の対応策(複数回答)では「経費削減」が30%を占めたほか「国内での販路拡大」(23%)や「技術力の強化」(16%)を挙げた企業も多い。人件費削減や事業転換の検討などリストラや再編で対応する動きも広がりつつあるという。



 一方、全体の1割強は円高がプラスに働いていると回答。主な理由は為替差益の発生や、原材料価格の低下だった。



 円高への意見を聞いたところ、ある製造業は「この円高が6カ月続くと町工場は廃業になる」と指摘。「国内の産業空洞化で海外に出ていかざる得ない」(印刷会社)との声もあった。政府には「中国製や韓国製の外国製品が国内に入ってきている。一刻も早く円安になる対策をしてほしい」などと要望が相次いだ。



 12日に関東財務局東京財務事務所が都内の商工会議所の役員らを対象に開いた意見交換会でも、「円高で地元企業は海外進出を検討し始めている」と懸念する声が出た。

2011年10月12日 日本経済新聞

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