4~9月の建設業倒産、0・2%減/負債は過去20年で最少/東京商工リサーチ
東京商工リサーチが11日発表した建設業倒産集計(負債額1000万円以上)によると、11年度上半期(4~9月)の建設業の倒産は1770件(前年同期比0・2%減)で、年度上半期としては3年連続で前年度を下回った。負債総額は前年同期比21・3%減の2173億99百万円で、年度上半期としては過去20年間で最少。ただ同社は、小規模企業の倒産が全体の7割程度を占めており、東日本大震災の被災地以外の公共事業の先行き不安が高まる中、経営環境の厳しい小規模企業の経営動向を注視する必要があると指摘している。負債10億円以上の大型倒産は29・6%減の19件(前年同期は27件)。これに伴い平均負債額も21・2%減の1億2200万円となり、年度上半期としては負債総額と同様に最近20年間で最少規模になった。
上半期の業種別の倒産件数は、総合工事業841件(5・5%減)、職別工事業573件(0・1%減)、設備工事業356件(14・8%増)。さらに細かく見ると、土木工事業(舗装を除く)が431件(2・4%減)で最も多く、次いで建築工事業(木造を除く)が221件(20・7%減)、管工事業(さく井工事業を除く)が182件(7・6%増)、床・内装工事業が145件(2・6%減)などの順となっている。
原因別では受注不振が1244件(4・6%減)で全体の7割を占めた。形態別では破産(1268件)がトップで、銀行取引停止処分(408件)、民事再生法(57件)、内整理(32件)、特別清算(5件)が続いた。中小企業の借入金返済負担を軽減する中小企業金融円滑化法などの政策効果が一巡。加えて震災関連倒産が67件に上るなど、建設資材の流通停滞や受注工事の中断などで業績不振の中小企業が息切れするケースも出ているという。
同時に発表した11年9月の建設業の倒産は前年同月比14・3%減の262件で、負債総額は37・1%減の284億3400万円だった。一方、帝国データバンクが同日発表した11年度上半期の企業倒産(負債1000万円以上の法的整理)集計によると、建設業の倒産は1563件(1・3%減)だった。
2011年10月12日 日刊建築工業新聞
最適な税理士が見つかる!
T-SHIEN税理士マッチング
依頼したい税理士業務と希望金額を入力し、匿名で全国の税理士事務所から見積を集めることができるシステムです。送られてきた見積の中から、最適な税理士を選ぶことができます。