北陸の景況感、震災前より状況改善34% 半年後やや改善4割
日本経済新聞社が実施した「地域経済500調査」によると、北陸の景気が東日本大震災前に比べて改善したとする企業が34%にのぼった。自動車業界のサプライチェーン(供給網)の復旧や新興国の需要に支えられており、半年後の景気も同43%がやや改善するとみている。一方で、円高進行や欧州財政危機の広がりに対する懸念も強まっている。
北陸景気について、震災前よりも「良くなった」とする回答が4%、「すでに改善の兆しがみえてきた」が30%だった。供給網が寸断されていた半年前の震災直後に比べると、61%が景気が改善したとみている。大震災直後の半年前と比べた景況感を示す景気動向指数(DI)は39.1と、全国平均の35.4をやや上回った。DIは地元の景気が「改善している」と答えた企業の割合から「悪化している」と答えた割合を引いた値。
一方、半年後の景気は「変わらない」との予想が48%と最も多く、「やや改善する」が43%だった。これに対して「やや悪化する」とみる企業は9%と少なく、景気の緩やかな持ち直しが続くと予想する企業が多い。
もっとも、景気が「再び悪化する危険性」を聞いたところ、「危険性が多少ある」との回答が70%、「危険性が相当ある」が4%を占めた。景気に悪影響を与えそうな要素(複数回答)として、87%が「円高の進行」を挙げたほか、「日経平均株価の下落」と「欧州の財政危機問題の波及」がそれぞれ30%だった。
08年のリーマンショック直前の水準を上回る時期は「既に上回っている」が9%にとどまる一方、26%が「12年4月以降」、61%が「当面は上回りそうにない」と回答しており、景気回復の勢いが強まると予想する企業は少ないようだ。
11年度の損益の見通しは、「大幅に改善」が5%、「やや改善」が36%、「10年度と同じくらい」が45%だった。損益の改善要因は「国内需要の拡大」が67%、「海外需要の拡大」が33%だった。「人件費の抑制」が11%あったほかはコスト削減の回答はゼロ。リーマン・ショック以降の各社のコスト構造の見直しがほぼ一巡したとみられる。
経済面の政策で十分と言えないもの(複数回答)では「円高対策」が57%、「景気対策」が52%、「法人税減税など企業の競争力向上策」が48%に達した。
2011年10月12日 日本経済新聞
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