地球の水は彗星が起源? 彗星の中に地球と同組成の水発見
(CNN) 地球の表面の71%を覆う水は彗星からもたらされたかもしれないとの仮説を裏付ける研究が、科学誌「ネイチャー」に発表された。
ドイツのマックスプランク研究所の研究チームは、欧州宇宙機関(ESA)のハーシェル宇宙望遠鏡を使って観測を行い、ハートレー第2彗星(103P)に地球と似た成分の水があることを突き止めた。
ハートレー彗星は現在、地球から約6億7000万キロの距離にあるが、もとは海王星に近い小惑星帯のカイパーベルトにあったと考えられている。分析の結果、同彗星の水素と重水素の比率が、地球の海の水に近いことが分かったという。
地球の水の大部分は、およそ41億年前から38億年前にかけて月や地球などの惑星に大量の小惑星や彗星が衝突した「後期重爆撃期」に、彗星からもたらされたと研究チームは見ている。
後期重爆撃は、海王星が太陽から離れて天王星よりも遠くまで移動したため、その先の太陽系にあった天体が地球の方向に動かされて起きたとされる。
地球は形成間もないころは乾燥した惑星で、地表の温度は1000度を超え、水分があったとしても直ちに蒸発していた。それが現在のような状態になった理由について、彗星から水がもたらされたとする説が1950年代から60年代に浮上。しかし欧州宇宙機関が86年に送り込んだハレー彗星探査船で、水素同位体の比率が地球の水と一致しないことが分かり、この説は揺らいでいた。ここ数年でハートレー第2彗星以外にも6個の彗星について分析が行われたが、水素同位体の成分はいずれも地球の水とは一致しなかった。
研究チームは「水は彗星によってもたらされたかもしれないとする昔の説がほぼ復活した」と解説している。
2011年10月07日 CNN
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