国交省/再生砕石への石綿混入防止策を検討/複数モデル工事で検証へ
国土交通省は、再生砕石に混入するアスベスト(石綿)対策の取り組みを一段と強める。石綿含有建材が発生する建築物の解体現場や、廃棄物を分別する中間処理施設、再資源化施設など、石綿が混入する恐れがある各段階や混入要因などを複数のモデル工事を通して調査。学識者を交えた要因分析や対策づくりの検討なども行った上で効果的な対策を打ち出す。12年度予算に調査費として900万円を要求した。
石綿含有建材が使われている住宅・建物の解体工事では、建設リサイクル法に基づき解体事業者がコンクリートなどの分別とともに石綿を処理しながら解体。次に廃棄物は中間処理施設に移され、再資源化可能廃棄物を選別した上で、分別された廃棄物を再資源化(コンクリート塊の破砕など)する施設を経て再生砕石として販売される。しかし、昨年夏に石綿が混入した再生砕石の販売と使用が発覚。早急な改善策を求める声が強まっていたことから、国交省は再生砕石への石綿混入防止策をより効率的に進めるための調査を来年度に行うことを決めた。
具体的には、再生砕石の材料となるコンクリート塊などを取り扱う工事現場、中間処理施設、再資源化施設、販売という四つの段階での作業を複数のモデル工事を選定して調べる予定。石綿の残存や混入の恐れが高い要因を整理・分析し、どの段階でどのような対策が効果的であるかを検討する。モデル工事は各段階から選び、1週間から1カ月をかけて調査する。
さらに調査と合わせて要因分析や対策づくりなどで学識者から意見を聞く考えで、ヒアリングの実施や検討会の設置などを視野に入れている。調査結果などを踏まえ、具体的な対策は13年度に固める方針。解体工事で建設リサイクル法を順守するよう求めている既存のガイドラインの見直しなどにつなげる。
2011年10月07日 日刊建築工業新聞
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