埼玉県内の中小企業、外国人の定期採用広がる
埼玉県内の中小企業で、外国人を採用する動きが広がっている。海外市場の本格的な開拓にはグローバル人材の拡充が欠かせないと判断。日本や現地の大学を卒業した外国人を、海外との交渉窓口や現地の管理職などとして育成する。
医療機器部品などを製造する金子製作所(さいたま市)は外国人留学生を毎年最低1人、定期的に採用する方針だ。すでに昨秋と今春に1人ずつ採用している。欧米を中心に海外の販路開拓を進めており、交渉窓口となる人材として即戦力の留学生の確保を狙う。ここ1年半で10カ所以上の海外展示会に出展しており、海外需要を取り込む。
これまでもドイツの企業から医療機器分野で受注を獲得しており、言語能力のある人材の育成で一段と弾みをつける。
軸受け製造のヒーハイスト精工は現地の大学を卒業した中国人を中心に、外国人を採用する考え。11月に中国の2人を採用し、本社での品質保証などの業務にあてる。同社は上海に3月、販売会社を設立して市場開拓を進めており、将来は外国人を現地に派遣し、交渉窓口にする考えだ。
電子部品の製造部材を手がけるプロセス・ラボ・ミクロン(川越市)も外国人留学生を採用を始める方針。来春の入社予定者3人はすべて外国人で、中国からの2人と台湾からの1人の採用を決めた。アジア圏への輸出に対応する国内の窓口になってもらう。
同社は5月に台湾の商社と販売代理店契約を締結したほか、中国に製造子会社を持っている。「知名度がない中小企業にとって日本人のグローバル人材の確保が難しい」ことも外国人を採用する要因になっている。
フッ素樹脂コートのフロロコートも上海工場の能力拡充に合わせ、現地で中国人3人を募集。日本で3年間研修した後、上海工場で将来の管理職候補として育成する。
行政も支援をしている。県は企業向けに外国人留学生を採用する時に必要な、在留資格の手続きや労務管理などに関するセミナーを実施している。年内をメドに、県内の外国人留学生が企業を見学するツアーを開催する。埼玉労働局も留学生の就職面接会を開いている。
2011年10月05日 日本経済新聞
最適な税理士が見つかる!
T-SHIEN税理士マッチング
依頼したい税理士業務と希望金額を入力し、匿名で全国の税理士事務所から見積を集めることができるシステムです。送られてきた見積の中から、最適な税理士を選ぶことができます。