千葉市、起業家の「卵」育成 経営者らと支援組織
千葉市と市産業振興財団は、起業家の卵を育成するため来年4月をめどに企業経営者らと支援組織を立ち上げる。併せて専用の創業支援(インキュベーション)施設も整備する。大学生や主婦などの女性、個人で活動するクリエーターなどの支援を想定している。市や同財団は企業からの独立創業などを目指す人を対象とした創業支援制度を既に設けている。事業経験の少ない人らの創業意欲も刺激し、市内産業の裾野を広げる狙いだ。
県内外の流通や金融、メディア関係の企業経営者などと「1000leafパートナーシップ」と呼ぶ任意団体を立ち上げる方針。将来は市や企業などが出資して株式会社化することも視野に入れる。支援拠点を設けて、経営者らによる研修や経営相談などを定期開催する方向だ。
千葉銀行、スーパー大手のイオン、テレビ通販大手のQVCジャパン、歯科診療支援のデンタルサポートなど市内に本社を置く企業を中心に約100社が参加する見通しだ。中小企業支援のネクスゲート(東京・港)なども加わる。千葉銀やイオンなどは同組織に入ることで、将来の取引先育成にもつながると判断した。
組織立ち上げ後に、市の中心部のビルに3カ所目となるインキュベーション施設を整備する。約50人の起業家の卵がいつでも使える想定で400~500平方メートルのスペースに、利用者が入れ替わりで使う開放型のオフィスや、会議室、セミナー室、カフェなどを設ける見込みだ。組織の事務局を置くほか、支援企業らと起業家をつなぐコーディネーターなども常駐させる。
来年4月以降、同組織を利用して事業立ち上げを考える大学生などの起業家の卵を会員として募集する。利用者は料金を払う代わりに施設を利用したり、事業計画の策定などの支援を受けられたりする。料金体系は今後詰める。
入居期間はおおむね半年~2年を想定。事業化のめどが立つなど一定段階に達した起業家の卵には、他のインキュベーション施設やオフィス移転など次のステップを紹介する。
千葉市は同組織を通じて予防医療や高齢者支援、環境、省エネなどの分野の産業育成につなげる考え。10月23日には起業家支援イベントを初開催し、こうした取り組みをPRする。自治体が早期の段階から起業家を支援するのは珍しい取り組みなだけに、利用者と支援する企業の双方にメリットを打ち出せるかが課題になりそうだ。
2011年09月30日 日本経済新聞
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