中小100社の環境技術集積　チームエコラボがネットワーク構築

　環境ベンチャーのチームエコラボ（名古屋市）は技術集積に向け、中小企業のネットワークを構築する。太陽光発電パネルを使った電源装置などを扱っており、製品開発で採用する技術やノウハウを取り込む受け皿とする。今後２年で100社規模の参加企業を見込む。中小企業が持つ優れた技術を有効活用し、製品の企画、開発力を底上げする。



　チームエコラボは、金属加工メーカーのナガサキ工業（名古屋市）を中心に、中小企業８社の出資で７月に設立した。準備段階から製品開発を進めており、京セラの太陽光パネルを使った発電機や照明器具、監視カメラを製造販売している。



　各企業が保有している技術や生産設備を使っているが、協力を得られる中小企業を集め、新規商材の開発や増産につなげる。参加を呼びかける業種などの基準を設け、近く募集活動に乗り出す。



　２年間で100社前後を募り、幅広く技術やアイデアを吸い上げる。顧客の要望に素早く対応できる体制も整える。こうした取り組みを通じて製品群を増やし、あわせて販売網も拡大する。



　環境関連装置の販売、施工などで２年後には約１億円の売り上げ規模を目指す。中小企業が抱えている埋もれた技術を掘り起こすとともに、部品や素材の調達を通じて連携も深める。愛知県をはじめ中部の中小企業は取引がある大手メーカーの海外移転などもあり受注が減っていることから、ネットワークは新規に事業を立ち上げる機会だと訴え、参加を促す。



　ナガサキ工業は厚鋼板の加工を得意とする。電力会社向けに電線用の金具を生産、フォークリフトやクレーン車に使う骨格部品も手がけている。2010年度の売上高は約18億円だった。



　エコラボの設立にはこのほか、アルミ建材の久米工業（名古屋市）、工作機械の日進省力機工業（愛知県日進市）、フクシマ化学（岐阜県美濃加茂市）など、愛知県や岐阜県の中小企業が関わっている。

2011年09月29日 日本経済新聞