大きな文字とアイコン 使える「かんたん検索」
いまやインターネットとパソコンは、年齢や性別にかかわらず不可欠なツール。「デジタルには疎い」「興味ない」といった理由で敬遠していた人も、パソコンとネットが使えないことによる不便さを実感していることだろう。とくに高齢者のデジタルデバイド(情報の格差)の問題は深刻だ。そんな高齢者にとってやさしいパソコン、富士通の「らくらくパソコン」の紹介を続ける。
らくらくパソコンは、20型ワイド液晶一体型のデスクトップモデル「エスプリモFH/R3」(実売価格13万9800円)と15・6型ワイド液晶のノートPC「ライフブックAH/R3」(同13万2000円)の2種類がある。どちらもデスクトップに「らくらくメニュー」というアイコンがあり、クリックするとらくらくパソコン専用のソフトが起動する。
このソフトは、パソコン初心者向けの導入のページだ。大きな文字とアイコンで表示され、タッチパネルでも使えるので、銀行のATMを使える人なら問題なく使えるはずだ。
たとえば画面の「インターネット(毎日のページ)」をクリック(タッチ)すると、ニフティのらくらくパソコン専用のトップページに接続する(もちろん、その前に、らくらくパソコンをインターネットに接続しておく必要がある。ただし、これは慣れた人にあらかじめやっておいてもらえばいいだろう)。
らくらくパソコン専用ページは、通常のウェブページよりシンプルなレイアウトで見やすい。画面の右側には、通常のブラウザの上部に設置されている機能のうち、印刷、ブックマークなどのよく使う機能だけが大きくボタンで表示されている。見たページを印刷して持ち歩くとか、あとで見直すといった基本的な操作を重視しているのだ。
面白いのは「かんたん検索」。ネット検索に慣れていない人に、調べたい内容をジャンルに分けて表示してある。最終的には地域などの条件を入力する必要があり、検索した先のページは通常のニフティの検索サイトになるが、最初の障壁を取り除こうとする努力は評価したい。パソコンに慣れた人にとっては何とはない操作でも、初めての人には高い壁があるのだ。
「Eメール」「年賀状」「写真」などをクリック(タッチ)すると、それぞれのソフトが立ち上がる。メールは最初に設定が必要なので、要するにデスクトップ上にソフトのショートカットが並んでいるのと同じなのだが、パソコンの画面を見慣れていない人にはショートカットアイコンは敷居が高いのだろう。こうした導入ページがあることの安心感は大きい。
表示されている以外の機能を使いたいときには、欄外の「他の機能を使う」をタッチ。すると、他のソフトや設定が起動し、通常のパソコンと同じ画面、操作になる。
らくらくメニューについて、同社パーソナルマーケティング総括部の大塚恭恵課長は「プロジェクトの開始時、ターゲットとなる55歳から60代の方にグループインタビューをしました。そこで要望を聞いたところ、ネットとメール、はがき作成と写真の要望が多かったことから、このメニュー内容にしました」と語る。
らくらくパソコンは、通常のパソコンにらくらくメニューをかぶせただけ。その気になれば、もっと画面を変えることもできそうだが、そうはしなかった。「ウィンドウズに戻れないと、パソコン教室で習った方法を使えないので困るでしょうから、この方法をとりました。らくらくパソコンを使われる世代は勤勉な方が多いので、(らくらくパソコン購入をきっかけに)熱心にパソコン教室に通われているようです」と大塚さん。つまり、最初の壁さえ乗り越えればデジタルデバイドを克服できる可能性は高いのだ。(松本佳代子)
2011年02月24日 ZAKZAK
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