11年基準地価/全都道府県で3年連続下落/地方圏で低迷顕著、震災影響も
国土交通省が20日発表した11年7月1日時点の都道府県地価(基準地価)は、3年連続で全都道府県で住宅地、商業地とも前年より下落した。全国平均の下落率は住宅地が3・2%(前年は3・4%)、商業地が4・0%(同4・6%)。下落幅は前年より縮小したものの、依然落ち込みが続いている。特に地方圏では住宅地の下落率が前年より拡大するなど低迷が顕著。東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の3県は住宅地、商業地ともに大きく落ちこんだ。
今回の調査では、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の86地点で調査を休止しており、対象は継続して調査した2万1515地点。うち、この1年間で地価が上昇したのは88地点(前年は27地点)、横ばいが863地点(同302地点)で、下落が2万0564地点(同2万1457地点)と大部分を占めた。
東京、大阪、名古屋の3大都市圏の地価動向をみると、下落率は住宅地が1・7%(前年は2・9%)、商業地が2・2%(同4・2%)と縮小した。大都市圏の下落率が縮小した理由として国交省は、都心など人気の高い地域でマンションや一戸建住宅の需要が堅調だったことや、昨年後半の住宅ローン減税などの政策効果も挙げている。ただ、東京、名古屋では東日本大震災の影響を受けて今年1~7月は下落率が拡大しており、大都市圏でも地価の先行きには不安を抱えている状況だ。
一方、地方圏は人口減少などの構造的要因などを背景に、下落率が住宅地は3・7%(同3・6%)、商業地は4・8%(同4・8%)と1年前とほぼ変わらない状況。九州新幹線の全線開業で鹿児島市や福岡市の駅前周辺地区などで比較的堅調に推移したものの、全体的には低調で、依然として回復の兆しは見えていない。震災の被災地では、東京電力福島第1原発事故の影響を受けた福島県の落ち込みが特に大きく、下落率が住宅地は5・4%(同3・1%)、商業地は7・5%(同4・6%)に拡大。同県郡山市熱海町の調査地点では、全国の商業地の中で最大の下落率15・0%を記録した。
2011年09月21日 日刊建築工業新聞
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