千葉銀や京葉銀、中小企業の海外進出を支援
千葉銀行や京葉銀行など県内の地方銀行は中小企業の海外進出支援を強化する。これまで親会社や取引先企業の要請に応じて海外に進出する企業が多かったが、電力不足や歴史的な円高を背景に海外展開を検討する中小企業が増えているためだ。現地金融機関との提携に加え、アジア市場などに詳しい行員を育成し、中小企業のニーズに応える考えだ。
千葉銀はアジアに数多くの拠点を多く持つ英スタンダードチャータード銀行と6月に業務提携した。取引先企業が設立した現地法人が海外で銀行口座を開設できるように仲介。設備資金などの融資には千葉銀が債務を保証し、海外銀から資金を提供する。海外市場の情報提供などにとどまらず、一歩踏み込んだ形で支援する。
今後は「インドやインドネシア、ベトナムなど中小企業のニーズの高い現地の金融機関とも提携していく」(法人営業部の行木明宏室長)という。
海外進出を検討する企業向けに情報を提供するセミナー開催を年1回から4回程度に増やす。セミナー開催後には個別の相談会を設け、取引につなげる。「最近では年商1億~2億円規模でも海外進出を検討する企業が増えてきた」(千葉銀)。
京葉銀は4月、全店で主要な取引先企業に海外進出の意向についてアンケートを実施。県内約250社から回答を得た。10月から海外進出に関心を持つ企業に本店から貿易実務など専門知識を持つ行員を派遣し、本格的な営業を始める。
海外市場の動向について豊富な情報を持つ三菱UFJリサーチ&コンサルティング(東京・港)と4月に提携。投資や販路拡大など海外展開に関する相談に応える体制を整えた。
千葉興業銀行も今後、海外への展開を考える企業向けにセミナーの開催を検討している。
各行は海外市場に強い人材育成にも力を入れ始めた。千葉銀は2012年度から海外の工場や銀行を視察する行員を従来の1.5倍の45人にする。行員から選抜する中国語の語学留学生は昨年9月から1人増やし、3人を派遣している。外国為替について6カ月間の実務研修を受ける行員は今年4月から3人に増員した。
京葉銀は10月から行員を日本貿易振興機構(ジェトロ)に派遣する予定だ。2年間ジェトロの職員として働き、海外業務の知識をつける。今年1月には英語能力テスト「TOEIC」で「730点以上」「830点以上」をとると人事評価に反映する仕組みを取り入れた。
2011年09月16日 日本経済新聞
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