神奈川県、海老名市に中小・大企業向け予備実験拠点
神奈川県は大企業と県内中小企業が共同で使える予備研究施設「オープンラボ」を産業技術センター(海老名市)に10月に開設する。大企業が提示する環境関連や生命科学分野のテーマについて中小企業の技術を応用できるかを検証。本格的な共同研究開発につなげる。2014年度のさがみ縦貫道路の全面開通をにらみ、県央部に研究開発拠点を整備し成長産業の集積を促す。
神奈川県内に研究開発拠点を持つ大企業で構成する「神奈川R&D推進協議会」に参加する日産自動車やソニーなどに協力を求める。
大企業が環境関連や生命科学に関する研究テーマを示す。テーマごとに中小企業2~3社が参加して、自社の技術を提供し、オープンラボで予備実験をする。実験結果は一般公表する。中小の技術が実用化できると判断した場合、大企業と契約を結び、共同研究開発に入る。
実用化の可能性が小さいと判断した場合でも、一部の技術を置き換えたり付け加えたりすれば可能になる場合もある。その際、県は解決できそうな別の中小企業を大企業に紹介する。
研究テーマは蓄電池のコスト低減や電力制御装置の小型化、健康食品や介護ロボットの開発などが想定される。中小の素材開発技術や半導体実装技術などの活用を見込んでいる。
産業技術センターがある県央部には、アルバックや昭和シェル石油などの研究開発拠点が集積している。2014年度にはさがみ縦貫道路が全面開通し、相模原や厚木市、藤沢市などをつなぐインフラができる。同センターに予備実験の拠点を置くことで、沿線地域への産業集積を加速させる狙いだ。
県内中小企業が持つ自動車や電子部品向けの技術は、電気制御装置や蓄電池などに応用できるものが多い。県は「新規分野への参入は資金面で余裕がない中小企業にはリスクが大きい。大企業との共同研究開発を促し、中小の成長分野への参入に結びつけたい」としている。
2011年09月16日 日本経済新聞
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