経営コンサル役員を詐欺容疑で逮捕 震災融資制度を悪用か
東日本大震災などで被害を受けた中小企業を支援する緊急融資制度などを巡り、取引先の中小企業に虚偽の決算報告書を作らせるなどして、金融機関から総額で約1億4千万円の融資をだまし取ったとして、東京地検特捜部は15日、経営コンサルタント会社役員、佐藤真言容疑者(38)ら3人を詐欺の疑いで逮捕した。融資詐欺には複数の中小企業が関与していたとみられ、特捜部は被害の全容解明を急いでいる。
ほかに逮捕されたのは衣料品製造販売「エス・オーインク」(東京・渋谷)社長の朝倉亨容疑者(47)と、服飾品輸入販売「スカーラ」(東京・中央)社長の伊藤幸治郎容疑者(63)。特捜部は15日朝から佐藤容疑者が役員を務める「財務営業パートナーズ」(東京・新宿)など関係先の家宅捜索を始めた。
逮捕容疑は、佐藤容疑者と朝倉容疑者は、国が今年5月に設けた震災や福島第1原発事故で経営の悪化した中小企業が、無担保で金融機関から最大8千万円の緊急融資を受けられる制度を悪用しようと計画。
6月ごろ、実際には2億5千万円の債務超過だったエス・オーインクの資産状況を約3千万円の資産超過とした虚偽の決算報告書を提出するなどして、銀行2行から約1億1千万円の融資をだまし取った疑い。
また、佐藤容疑者は伊藤容疑者と共謀し、スカーラについても売上高や経常損益が好調なように偽った虚偽の決算報告書を作成。昨年6月ごろ、東京信用保証協会に保証させたうえで、金融機関から3千万円の融資を引き出した疑いが持たれている。
特捜部は今春以降、佐藤容疑者らが関与した不透明な融資に至る詳しい経緯について、取引先の中小企業や銀行関係者らに説明を求めていた。
2011年09月15日 日本経済新聞

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