中部企業4~12月、純利益2.3倍 新興国需要が支え
中部企業の業績回復が続いている。3日までに2010年4~12月期決算を発表した中部企業70社(愛知、岐阜、三重の3県に本社を置く3月期決算の名古屋証券取引所上場企業、金融除く)を対象に日本経済新聞社が集計したところ、純利益は前年同期に比べ2.3倍となった。新興国需要の拡大を背景に、11年3月期通期の純利益は前期比88%増える見通しだ。
■製造業は5倍 「パソコンやスマートフォン(高機能携帯電話)の市場拡大で来期も増益になりそうだ」。イビデンの竹中裕紀社長は1日、名証での記者会見で先行きに自信を示した。IT(情報技術)機器向けのプリント基板などが伸び、10年4~12月期の純利益は39%増えた。11年3月期通期も53%の最終増益を見込む。
3日時点で集計対象全体(金融除く)の約半数の中部企業が10年4~12月期決算発表を終えた。業種別では、自動車関連を中心とする製造業の純利益が5.0倍になった。個人消費回復の兆しを背景に、非製造業も24%増加した。
11年3月期通期の純利益は2期連続で増加する見通しだ。10年4~9月決算発表時点に比べ、純利益の見通しを上方修正したのは、ブラザー工業、マキタ、マスプロ電工、東邦ガスなど19社。下方修正したのは愛三工業、中央発条、中部鋼鈑の3社だった。
■進捗率100%超も 今回の4~12月期決算の特徴は、通期予想に対する9カ月累計実績の割合を示す「進捗率」の高さに表れている。純利益ベースの進捗率は92%と、前年同時期集計の82%を10ポイントも上回る。
さらに個別銘柄をみると、9カ月累計実績が通期予想を上回っている「進捗率100%超」という企業が、三重交通グループホールディングス、丸順など13社にのぼっている。
中部電力は1月28日、11年3月期通期の純利益の見通しを550億円から750億円(前期比31%減)に上方修正したが、10年4~12月期の純利益の1000億円(前年同期比2%増)を下回る水準だ。「燃料価格や為替の影響が不透明」(松原和弘副社長)という。
東海旅客鉄道(JR東海)の通期純利益見通しも1220億円と、4~12月期実績の1325億円を下回る。同社は「11年1~3月期に車両や線路の修繕費の計上が集中するため」と説明する。中部鋼鈑は「鉄スクラップ高騰を製品値上げで吸収できるか未知数」として、通期の予想純利益を8億円と、4~12月期実績の9億円より少額にした。
2011年02月04日 日本経済新聞
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