板金の山梨ワークス、若手育成へ溶接ロボット導入
板金加工の山梨ワークス(山梨県中央市、込山祐規社長)は3月、溶接ロボットを導入し、ベテラン技術者の手作業に頼っている工程を自動化する。溶接の非熟練者でもロボットを操作すれば、手作業では難しい0.8ミリ以下の薄い板などを加工できる。若手従業員を活用することで早期に多能工に育成し、技術継承の課題を解消する。
導入するのは腕の先にレーザー光源を付ける産業用ロボット。投資額は約5000万円。コンピューター上で溶接する位置や順番を定めると、得意とする半導体製造装置のフレームや部品1個を1分半程度で手順通り溶接する。かかる時間は手作業の場合の10分の1程度という。
レーザー光源を付け替えることで、厚い板の加工に向く「TIGレーザー」だけでなく、薄い板向けの「YAGレーザー」も使えるようにした。薄い板ほど熱の影響が出やすいが、場面ごとに光源を変えてゆがみや焼き焦げを防ぐことができる。
手作業の溶接は薄い板ほど、技術者ごとに加工精度にばらつきが出やすかった。「溶接で一人前になるには少なくとも3年は必要」(込山社長)だったため、型を抜いたり板を曲げたりする工程に比べ若手の活用が進みにくかった。
量産より試作や特注生産にニーズが移る中、工程ごとの分担より1人で主要工程すべてを手掛ける多能工が必要となっている。ロボット化で若手の早期育成につなげる。
山梨ワークスの2011年2月期の売上高は前期比倍増の3億円となる見通し。半導体製造装置向けの受注が回復した。リーマン・ショック以降の不況から立ち直っており、「中長期を見据えた投資をするなら今しかない」と込山社長は判断した。
2011年02月16日 日本経済新聞
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