GDP1.1%減 10~12月実質、個人消費がマイナス
内閣府が14日発表した2010年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.3%減、年率換算で1.1%減となった。マイナス成長は5四半期ぶり。エコカー補助金の終了やたばこ増税を前にした駆け込み需要の反動で、個人消費が2期ぶりに減少。輸出も落ち込んだ。ただ、足元では設備投資や輸出が上向いており、1~3月期はプラス成長に転じる公算が大きい。
前期比年率でみた昨年10~12月期の実質成長率は、日経グループのQUICKがまとめた民間予測の中央値(2.1%減)を上回った。生活実感に近い名目成長率は0.6%減、年率換算では2.5%減で、2期ぶりにマイナスとなった。
前期比0.3%減の実質成長率の内訳は、内需の減少が0.2%分、外需の減少が0.1%分となった。
GDPの6割近くを占める個人消費は前期比0.7%減となった。7~9月期の0.9%増から大きく落ち込んだ。たばこ増税前の駆け込み需要の反動減で非耐久財が実質ベースで3.6%減った。耐久財ではエコカー補助金終了の影響で自動車が減少したが、12月の家電エコポイント制度の特典縮小を前にした薄型テレビの駆け込み需要がこれを上回った。
設備投資は前期比0.9%増と、5期連続のプラス。住宅投資はローン減税など政策効果もあって前期の1.8%増から3.0%増に拡大した。石油化学製品や飲料などの在庫が増え、実質成長率に対する民間在庫の寄与度は0.2ポイントとなった。一方、公共投資は民主党政権の公共事業削減が響き、5.8%減った。
輸出は自動車の販売不振や半導体関連の世界的な在庫調整の遅れが響き、前期比0.7%減と、7期ぶりマイナスとなった。輸入は0.1%減だった。
総合的な物価の動向を示すGDPデフレーターは前年同期を1.6%下回り、5期連続でマイナスとなった。前期比では0.4%の低下。物価が持続的に下落するデフレがなお続いている。
2011年02月14日 日本経済新聞
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