長野県の企業、東北の拠点復旧なお時間
東北地方の拠点が被災した県内企業では、供給責任に応えようと懸命に復旧作業にあたっている。ただ、度重なる余震や資材不足などが重なり、以前の生産体制に戻るにはなお時間がかかりそうだ。
東北の4拠点が被災したセイコーエプソンでは3拠点で4月初めまでに生産を再開した。現時点で操業のメドがついていないのが東京電力福島第1原子力発電所から半径20キロメートル以内にあるエプソントヨコム福島事業所(福島県南相馬市)。青森県内の4拠点が被災した多摩川精機(飯田市)は3月22日までに再び生産を始めた。
もっとも生産再開にこぎ着けた拠点も相次ぐ余震に悩まされている。セイコーエプソン、多摩川精機とも7日の余震に伴い一時操業を停止した。11日にも大きな余震があり、生産に支障がないかどうかを見極めている。
ミスズ・サンメディカルHD(諏訪市)子会社のミスズ工業は岩手県北上市の工場が被災。3月中に一部で生産を再開したが、7日の余震で操業を停止。11日までに再開に至っていない。ホクトの宮城きのこセンター(宮城県大崎市)も、工場内の被害状況の確認中で生産再開は未定だ。
震災に伴う自粛ムードで県内観光業の低迷も続いている。栄村などが甚大な被害を受けた長野県北部の地震の震源地に近い野沢温泉村では、3月12日の発生直後、「入っていた予約の9割以上がキャンセルになった」(野沢温泉観光協会)。足元では少しずつ客足が戻りつつあるほか、宿泊料の割引キャンペーンを大型連休の前に実施するなど集客策も練っている。長野県も観光客の誘客のため、幅広い情報発信やキャンペーンを進める考えだ。
2011年04月12日 日本経済新聞
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