プロ棋士の「直感」、素人も訓練で可能に
独立行政法人理化学研究所は、将棋の経験がない20人の被験者を
対象に、将棋を単純化した「5五将棋」の一定の訓練を4カ月間行い、
訓練初期と訓練後の脳の働きを機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で
測定・比較した結果、訓練を通じて直観的思考能力が上達すると同時に
プロ棋士と同じ直観的思考の神経回路が発達することを確認したと
発表した。
プロ棋士は、長い訓練と対戦経験から得た情報を基に、
瞬時に状況を判断し最適な次の一手を直観的に導き出すことが
できるとされているが、研究グループは2011年に、プロ棋士が直観的な
次の一手を導き出す時に、大脳基底核にある尾状核を通る神経回路を
使っていることを発見した。
しかし、この直観的思考の神経回路を使うことができるのは、
長年にわたる訓練によるものか、もともと尾状核の神経回路の働きが
良かったのかは判断できていなかったという。
今回の研究では、将棋を単純化した5五将棋を使い、
将棋の経験がない20人の被験者に、コンピュータープログラムを使って
4カ月間にわたる一定の訓練を行い、訓練前後の脳の働きを調査。
その結果、訓練を通じて5五将棋の詰め将棋を短時間に解く
直観的思考能力が上達し、訓練後にはプロ棋士と同じように
直観的思考の時に尾状核の神経活動が活発化した。
さらにその神経活動の強さと正答率には相関関係があることも
分かったという。
この結果は、素人でも一定期間集中的に訓練すれば、
プロ棋士が使っている直観的思考の神経回路を発達させることが
可能なこと、つまりプロ棋士が持つ直観的思考回路は
特別なものではなく、地道な訓練によって養われることを示した。
研究成果は、米国の科学雑誌『The Journal of Neuroscience』
(11月28日号)に掲載された。
参考リンク
http://www.riken.go.jp/
2012年11月28日
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