脳の中にハイリスク・ハイリターン好む領域見つかる
東北大学大学院生命科学研究科の飯島敏夫教授らの研究グループは、
「リスクはあるが当たれば大きな報酬が得られるという選択肢」を
多く選んでいたラットの島皮質と呼ばれる脳領域の活動を抑制すると、
「リスクを避けて、報酬が少なくても確実にそれが得られる選択肢」を
多く選ぶ行動に切りかわることを、世界で初めて発見したと発表した。
リスクを冒してもより大きな利益の獲得を目指すという行動の積極性を
促進する脳領域は、これまで知られていなかったという。
同研究成果は、11月7日付で国際誌The Journal of Neuroscienceに
掲載された。
今回の研究ではリスク選択課題を遂行しているラットをモデルとし、
島皮質前部の神経活動の抑制がリスクを伴う行動選択に
どのような影響を与えるのか調べたという。
課題では、常に2滴の水を報酬として得られる「リスクがない選択肢」と、
4滴の水が得られる可能性と全く得られない可能性が50%の確率である
「リスクがある選択肢」を、左右のレバー押しによって選択させた。
どちらの選択肢も報酬量の期待値は同じであるが、喉が渇いた状態に
おかれたれたラットはリスクがある選択肢を選ぶ傾向を示したという。
ラットはリスクを冒してより多くの報酬が得られる可能性を
選択している。しかしこの課題中に島皮質前部の神経活動を抑制すると、
逆にリスクを避けて、報酬が少なくても確実に得られる選択を
行うようになった。この結果は、島皮質前部にはリスクを冒して
より大きな利益の獲得を目指す行動を促進する性質があることを
示しているという。
今回の成果をきっかけとして、脳における意思決定のメカニズムの
解明が大きく前進すると共に、深刻な社会問題の1つである
ギャンブル依存症などの治療法が開発されることが期待されるという。
参考リンク
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/
2012年11月13日
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