甲信越の景況感「悪化」41% 半年後「変わらない」41%
日本経済新聞社が全国の主要企業・団体を対象に実施した「地域経済500調査」によると、東日本大震災直後の半年前と比べた甲信越3県の景況感DIは9.7だった。製造業のサプライチェーン(供給網)回復などで震災の影響が薄れ、景気は改善している。ただ、震災前の水準には戻っていないと考える企業が多い。半年後についても円高の進行や欧州の財政問題などの懸念があり、企業の4割強が「変わらない」と答えた。
景況感DIは半年前と比べ景気が「良くなった」「改善の兆し」と答えた割合から「悪くなった」「悪化の兆し」の割合を引いた値。31社が回答した甲信越のDIは全国10地域のうち下から3番目で、全国平均(35.4)を下回った。
半年前と比べて景気が「良くなった」「改善の兆し」と答えた企業は計35.5%だった。
このうち、景気が良くなった理由として「震災で寸断されたサプライチェーンの回復」と答えた企業が81.8%に上ったほか、9.1%が「消費自粛ムードの緩和」を挙げた。地元経済に与える震災の影響が薄れたことが景況感の改善につながっている。
一方、震災前と比べた現在の景況感を聞いたところ「悪化の兆し」「悪くなった」を選んだ企業が計41.9%で、「良くなった」「改善の兆し」を合わせた12.9%を大きく上回った。景気が震災前の水準までに回復し切れていないと考える企業が多い。
今後半年の見通しは、41.9%が「変わらない」と答えた。「やや改善する」「やや悪化する」がそれぞれ29.0%で同数だった。
地元の景気が再び悪化する危険性については、「相当ある」「多少ある」と答えた企業の割合が83.9%。景気に悪影響を与えそうな要素(2つまで回答)としては「円高の進行」が74.2%、「個人消費の落ち込み」が48.4%だった。
政府に期待する経済政策(3つまで回答)としては「景気対策」を74.2%、「円高対策」を77.4%の企業が選んだ。「経済活性化のため、規制緩和政策に期待する」(北野建設)との声も上がった。また、「財政再建」も32.3%の企業が求めており、「国の財政の赤字体質からの脱却が必要」(朝日酒造)との指摘が出た。
2011年10月12日 日本経済新聞
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